令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.34は、特別高圧のループ受電方式に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、保護継電方式が複雑になるのはどちらかを分かっているかを問うものです。輪が閉じているクローズドループのほうが複雑になります。
電流がどちらからでも流れ込むためです。
正解:選択肢1(オープンループのほうが複雑とした記述)
> この論点をやさしく解説:保護継電方式とは?距離・過電流・差動継電器が何を測るかの違いを整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | オープンループのほうが保護継電方式が複雑 | 不適当。クローズドループのほうが複雑 |
| 2 | オープンループは電力会社の指令で操作 | 適当 |
| 3 | クローズドループは常時2回線受電で片回線事故でも無停電 | 適当 |
| 4 | クローズドループは片回線ずつ停止でき停電が不要 | 適当 |
最も不適当なのは選択肢1です。
引っかけの核心は、選択肢2から4がすべてもっともらしいので、最初の1つを流して読んでしまうところです。2つの方式を比べると、クローズドループのほうが仕組みも保護も込み入っています。
| 項目 | オープンループ方式 | クローズドループ方式 |
|---|---|---|
| 常時の状態 | 1か所を開いておく | 輪を閉じたまま2回線受電 |
| 片回線事故のとき | いったん停電し、切り替えて復旧 | 停電しない |
| 保護継電方式 | 単純 | 複雑 |
| 設備費 | 安い | 高い |
オープンループではどこか1か所を開いた状態で運転するので、電流の流れる向きが決まっています。事故電流も一方向から来るため、方向を見分ける必要がありません。
クローズドループでは輪が閉じているので、事故点へ両側から電流が流れ込みます。どちら側の遮断器を開けばよいかを判断するために、方向を見る継電器や回線の両端で情報をやりとりする保護が要ります。
そのぶん片回線が事故になっても停電しません。選択肢3と4がその利点を書いています。停電させないための仕組みを持つから複雑になる、という関係です。
選択肢2のオープンループでは、送電線の事故処理や保守停電のときに電力会社の指令に従って開閉操作をします。需要家が勝手に切り替えると系統側の運用が乱れるためです。
受電方式の名称を図から選ばせる出題もあります。平成30年度 1級 No.33と令和6年度 1級 No.31では、ループ受電方式・常用予備受電方式などを図で見分ける形でした。
クローズドループ方式の保護継電方式が複雑になるのはなぜか。
輪が閉じているため事故点へ両側から電流が流れ込み、どちらの遮断器を開くべきかを判断する必要があるからです。
オープンループ方式で片回線が事故になるとどうなるか。
いったん停電し、開いていた箇所を閉じるなどの切り替えで復旧します。クローズドループのように無停電では済みません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月