令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.35は、自家用発電設備におけるガスタービン発電装置と比較したディーゼル発電装置の特徴に関する記述として、不適当なものを選ぶ問題です。定格出力は同一とされています。
この問題は、小型で軽いのがどちらかを分かっているかを問うものです。ガスタービンのほうが部品が少なく軽くなります。
ディーゼルは往復運動の機構を持つぶん重くなります。
正解:選択肢4(構成部品点数が少なく重量も軽いとした記述)
> この論点をやさしく解説:ディーゼル発電装置とは?ガスタービンとの違いを項目ごとに整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 往復動機関のため発生振動は大きい | 適当 |
| 2 | 燃焼用空気量が少ない | 適当。ガスタービンは大量の空気を要する |
| 3 | 軽負荷時に完全燃焼が得られにくい | 適当 |
| 4 | 構成部品点数が少なく重量も軽い | 不適当。部品が多く重い |
不適当なのは選択肢4です。
引っかけの核心は、ディーゼルのほうが身近で頑丈な印象があるので、単純な構造だと感じてしまうところです。ディーゼルはピストンを往復させ、それを回転に変える機構を持ちます。
ピストン、コンロッド、クランクシャフト、吸排気弁、カムシャフトと部品が連なります。ガスタービンは主に回転する部分だけなので、部品点数も重量も小さくなります。
| 項目 | ディーゼル | ガスタービン |
|---|---|---|
| 運動 | 往復動 | 回転 |
| 振動 | 大きい | 小さい |
| 部品点数・重量 | 多い・重い | 少ない・軽い |
| 燃焼用空気量 | 少ない | 多い |
| 冷却水 | 必要 | 不要 |
同じ問題が令和元年度 1級 No.35(公表正答4)に出ています。選択肢2から4までが令和4年度と同文で、選択肢1が「原動機本体には冷却水が必要である」になっているだけです。
令和3年度 1級 No.35(公表正答2)はガスタービン側から書いた問題で、誤りとされたのはガスタービン本体を冷却するための水が必要であるでした。ガスタービンは空気で冷えるので水が要りません。
その問題の選択肢4にはディーゼル発電装置に比べて体積、重量ともに小さく軽いが正しい肢として置かれています。令和4年度の選択肢4は、これを裏返したものです。
| 出題 | 公表正答 | 誤りとされた肢 |
|---|---|---|
| 平成29年度 1級 No.35 | 4 | ディーゼルは軽負荷時でも完全燃焼が得られやすい |
| 令和元年度 1級 No.35 | 4 | ディーゼルは構成部品点数が少なく重量も軽い |
| 令和3年度 1級 No.35 | 2 | ガスタービン本体を冷却するための水が必要 |
| 令和4年度 1級 No.35 | 4 | ディーゼルは構成部品点数が少なく重量も軽い |
選択肢2の燃焼用空気量は、ガスタービンが圧縮機で大量の空気を吸い込むためディーゼルより多くなります。だから給気と排気の設備が大きくなり、設置場所の条件も変わります。
選択肢3は、ディーゼルが軽負荷では筒内の温度が上がらず燃え残るという性質です。無負荷運転を長く続けると不完全燃焼で汚れが溜まります。
ディーゼル発電装置とガスタービン発電装置では、どちらが軽いか。
ガスタービンです。回転運動だけなので部品点数が少なく、体積も重量も小さくなります。
ガスタービン発電装置に冷却水が要らないのはなぜか。
吸い込む大量の空気が冷却も兼ねるためです。ディーゼルは原動機本体に冷却水が必要です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月