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誘導加熱と誘電加熱の違いは?IH調理器と電子レンジで見分ける方法を整理

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誘導加熱と誘電加熱って1字しか違わないよね。

磁界と電界、どっちがどっちなの?

この記事の要点

電気加熱とは、抵抗加熱・誘導加熱・誘電加熱・アーク加熱・赤外線加熱などに分かれる、電気で被加熱物を加熱する方式のことです。

加熱は交番磁界で、利用例はIH調理器。誘加熱は交番電界で、利用例は電子レンジです。

迷ったら利用例から戻ります。鍋を温めるのが磁界、食品を温めるのが電界です。

電気加熱は、何を使って熱を起こすかで5つに分かれます。

だから覚えるときも、方式名と熱の起こし方を組にします。

加熱そのものは電気工学の論点ですが、熱をどう扱うかは施工の側にも出ます。床に敷く発熱線は床暖房、赤外線を使った照明器具の扱いは連続照明で扱っています。

5方式の説明はすべて正しい肢に出ている

8年度分をまとめると、方式ごとの説明が出そろいます。

方式 正しい肢での書かれ方 出所
抵抗加熱 通電した際に発生するジュール熱を利用する 令和2年度 2級(後期)No.12
誘導加熱 交番磁界中において、導電性の被熱物に生じる渦電流損や、磁性材料の場合に生じるヒステリシス損により加熱する 令和4年度 1級 No.15
誘電加熱 交番電界中において、絶縁性被熱物中の誘電体損による発熱を利用する 令和2年度 2級(後期)No.12
アーク加熱 電極間に生ずる放電を利用する 令和5年度 2級(後期)No.12
赤外線加熱 赤外線電球などの発熱体による放射熱を利用する 令和2年度 2級(後期)No.12

言い換えると、「5つの説明文を覚えれば、あとは組み合わせを確かめるだけ」ということです。

例えば、令和5年度は誘導加熱を「渦電流で生じるジュール熱を利用する」と短く書いており、こちらも誤りにされていません。

決め手は磁界か電界か

2文字目が違うだけで、使うものが違う 誘導加熱=交番磁界 鍋(導電性の被熱物) コイルがつくる磁界 渦電流損・ヒステリシス損 IH調理器 誘電加熱=交番電界 食品(絶縁性の被熱物) 平行平板電極間の高周波電界 誘電体損 電子レンジ
2つの方式で使うものが違うことをイメージでつかむための模式図です。コイルや電極の形・配置は実物どおりではありません。正しいのは、誘導加熱が磁界で導電性の被熱物を、誘電加熱が電界で絶縁性の被熱物を発熱させるという対応だけです。

誘導と誘電は、2文字目しか違いません。字面で覚えようとすると必ず入れ替わります。磁界か電界か、そして何を温める道具かで戻ってください。

鍋を温めるのが磁界の側、食品を温めるのが電界の側です。IH調理器は金属の鍋そのものを発熱させ、電子レンジは食品の中の分子を動かします。

出題は、この対応を8年度にわたって形を変えながら確かめています。

示された説明文・穴埋め 答え 出た年度
交番磁界内において、導電性の物体中に生じる渦電流損や磁性材料に生じるヒステリシス損により加熱する 誘導加熱 平成28年度・平成30年度(前期) 2級
誘導加熱は、交番□中において…□などに利用されている 磁界/IH調理器 令和4年度 1級
誘電加熱は、交番□中に置かれた被加熱物中に生じる誘電損により加熱する。誘電加熱の一部であるマイクロ波加熱は、□などに利用されている 電界/電子レンジ 令和元年度 2級(後期)
平行平板電極間に被加熱物を置いて、この電極間に加える高周波電界によって加熱する方式 誘電加熱 令和4年度(前期)・令和7年度(後期) 2級
アーク加熱は、電子ビーム照射による熱を利用する 誤り 令和2年度 2級(後期)
赤外線加熱は、マイクロ波による分子振動を利用する 誤り 令和5年度 2級(後期)

8年度のうち6年度が、説明文と方式名を結びつける形です。記述の正誤を問う形は令和2年度と令和5年度の2年度だけで、そこでも誤りは方式に別の方式の中身を貼った肢でした。

「渦電流損」と「ヒステリシス損」が出てきたら誘導加熱です。この2語は誘電加熱の説明には一度も出てきません。逆に「誘電体損」「誘電損」なら誘電加熱です。

穴埋めの選択肢には、磁界と電子レンジ、電界とIH調理器という交ぜた組も並びます。どちらも正しい側に置かれたことはありません。

貼り替えの2つは、貼られた語がどちらも実在するのが厄介です。マイクロ波は誘電加熱の側に実在する語で、令和元年度の正しい肢が「誘電加熱の一部であるマイクロ波加熱」と書いています。赤外線加熱の説明に持ってくると誤りになります。

なお、アーク加熱について「電子ビーム照射」がどの方式に当たるのかは、公表された肢に示されていません。アーク加熱そのものの正しい説明は、令和5年度2級の「電極間に生ずる放電を利用する」です。

過去問でどう問われたか

1級・2級あわせて8年度に出ています。問い方は大きく3つです。

  • ①説明文から方式名を選ばせる:渦電流損とヒステリシス損なら誘導加熱、平行平板電極間の高周波電界なら誘電加熱。
  • ②穴埋めで磁界か電界かを選ばせる:利用例(IH調理器・電子レンジ)と組で問われます。
  • ③記述の中に貼り替えを混ぜる:アーク加熱に電子ビーム、赤外線加熱にマイクロ波を当てます。

出題の形は2つに分かれますが、どちらも判定の材料は同じです。

誘導は磁界とIH調理器、誘電は電界と電子レンジ。この2組で8年度すべてが切れます。

どこを確認すれば読み分けられるか

電気加熱の肢は、次の順に見ます。

  • 磁界か電界かを読む:磁界なら誘導、電界なら誘電です。
  • 損失の名前を読む:渦電流損とヒステリシス損は誘導、誘電体損は誘電です。
  • 利用例を読む:IH調理器は誘導、電子レンジは誘電です。
  • マイクロ波の位置を読む:誘電加熱の一部です。赤外線加熱に付いていれば誤りです。

まちがえやすいポイント

誘導と誘電は2文字目しか違いません。字面で覚えようとすると必ず入れ替わります。

利用例から戻ってください。IH調理器は金属の鍋そのものを発熱させるので誘導加熱、電子レンジは食品の中の分子を動かすので誘電加熱です。そこから磁界と電界が決まります。

混同しやすい語

誘導加熱と誘電加熱:誘導は交番磁界でIH調理器、誘電は交番電界で電子レンジです。出題では磁界と電界を入れ替えた組も選択肢に並びます。

渦電流損とヒステリシス損:どちらも誘導加熱の説明に出る語です。誘電加熱の側は誘電体損(誘電損)です。

マイクロ波と赤外線:マイクロ波加熱は誘電加熱の一部です。赤外線加熱は赤外線電球などの発熱体による放射熱を利用します。

アーク加熱と抵抗加熱:アーク加熱は電極間に生ずる放電、抵抗加熱は通電した際のジュール熱です。どちらも正しい肢として出ています。

理解度チェック

Q.

誘導加熱は、交番磁界と交番電界のどちらを使うか?

交番磁界です。導電性の被熱物に生じる渦電流損や、磁性材料の場合に生じるヒステリシス損で加熱し、IH調理器などに利用されています。

Q.

平行平板電極間に被加熱物を置き、高周波電界で加熱する方式は?

誘電加熱です。令和4年度と令和7年度の2年度で、この説明文から誘電加熱が選ばれています。

Q.

マイクロ波加熱は、どの方式の一部か?

誘電加熱です。赤外線加熱にマイクロ波を当てた肢は誤りとされています。

まとめ

  • 抵抗加熱=通電した際に発生するジュール熱。
  • 誘導加熱=交番磁界、渦電流損とヒステリシス損、IH調理器。
  • 誘電加熱=交番電界、誘電体損、平行平板電極間の高周波電界、電子レンジ。マイクロ波加熱はこの一部。
  • アーク加熱=電極間に生ずる放電。電子ビーム照射と書いた肢は誤り。
  • 赤外線加熱=赤外線電球などの発熱体による放射熱。マイクロ波と書いた肢は誤り。

参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)平成28年度・平成30年度(前期)・令和元年度(後期)・令和2年度(後期)・令和4年度(前期)・令和5年度(後期)・令和7年度(後期)(2級)/令和4年度(1級)
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