令和元年度 地質調査技士 現場技術・管理部門 No.84を解説、切土による崩壊の注意点
令和元年度 地質調査技士資格検定試験 現場技術・管理部門 No.84は、切土による崩壊発生について注意すべき項目に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
切土では、周辺の地すべり、割れ目の多い岩、湧水など、崩壊につながる要因に注意します。とくに切る面が大きくなるほど、注意が必要です。
引っかけの核心は1点、長大のり面ほど地質の変化が大きいという点です。「均質で堅硬なことが多く問題が起きにくい」とするのは逆です。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 切土部の周辺に地すべり地があれば、地すべりの発生に注意する | ○(周辺の地すべり) |
| 2 | 割れ目の多い岩は、弾性波(P波)速度で破砕の程度を評価する | ○(破砕の評価) |
| 3 | 長大のり面の切土は地質が均質で堅硬なことが多く、問題が起きにくい | ×(誤り) 正答。長いほどリスクは高い |
| 4 | 湧水量の多い切土は、地下水の動きが複雑で注意が必要 | ○(湧水と地下水) |
選択肢1・2・4は、周辺の地すべり・破砕の評価・湧水という注意点を正しく述べています。選択肢3だけが、長大のり面のリスクを逆にしています。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
のり面が長く大きくなるほど、切る範囲に含まれる地層や割れ目のばらつきが大きくなります。均質で堅い岩ばかりとは限らず、弱い層や割れ目、地下水を含む部分が現れやすくなります。
選択肢3は「長大のり面は均質で堅硬なことが多く、施工中の問題は発生しにくい」としていますが、実際は逆です。長いのり面ほど地質の変化が大きく、のり面の変状などのリスクは高くなります。
選択肢3は、切土の注意点として最も不適当です。長大のり面ほどリスクは高いと押さえます。
覚え方
- 切土の注意点=周辺の地すべり・割れ目(P波速度で評価)・湧水(地下水)。長大のり面ほどリスクは高い
- 「長大のり面は均質で問題が起きにくい」は逆で引っかけ
- 切る面が大きいほど地質のばらつきが大きい
理解度チェック
問題:長大のり面となる切土は、地質が均質で堅硬なことが多く、施工中の問題は発生しにくい。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
のり面が長いほど地質の変化が大きく、変状などのリスクは高くなります。均質で問題が起きにくいとするのは逆です。
問題:割れ目の多い岩の切土では、弾性波(P波)速度で破砕の程度を評価する方法がある。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
弾性波(P波)速度は、割れ目や破砕が多いほど遅くなるので、破砕の程度の評価に使えます。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「令和元年度 地質調査技士資格検定試験 現場技術・管理部門 試験問題」
- 切土のり面の崩壊要因(地すべり・破砕帯・湧水・長大のり面)に関する一般知識(国土交通省 切土のり面の調査・設計ほか)
※ 切土の注意点は、最新の基準・テキストで確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月