令和元年度 地質調査技士 土壌・地下水汚染部門 No.78を解説、直接摂取リスクの措置
令和元年度 地質調査技士資格検定試験 土壌・地下水汚染部門 No.78は、直接摂取によるリスクに係る措置に関する問題です。4つの措置のうち、最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
土壌汚染の措置は、健康被害の経路で分かれます。
土を口に入れたり肌に触れたりする直接摂取のリスクには、舗装・立入禁止・土壌入換え・盛土・掘削除去で対応します。
汚染物質が地下水に溶け出して飲用で体に入るリスクには、不溶化や封じ込めで対応します。
引っかけの核心は1点、不溶化は地下水経由のリスクの措置という点です。溶け出しを抑える措置なので、直接摂取の措置には当たりません。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(直接摂取の措置として最も不適当)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 措置 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 舗装 | ○(正しい) |
| 2 | 立入禁止 | ○(正しい) |
| 3 | 土壌入替 | ○(正しい) |
| 4 | 不溶化 | ×(誤り) 正答。地下水経由リスクの措置 |
舗装・立入禁止・土壌入換えは、いずれも汚染土に人が触れないようにする直接摂取の措置です。不溶化だけが、地下水への溶け出しを抑える別経路の措置です。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
直接摂取のリスクは、汚染土をじかに口に入れたり、皮膚から取り込んだりして体に入る経路です。
これを断つ措置が、地表を覆う舗装、人を入れない立入禁止、汚染土を良質土に替える土壌入換え、上に土をかぶせる盛土、汚染土を取り除く掘削除去です。
いずれも人と汚染土の接触をなくす考え方です。
これに対して不溶化は、第二種特定有害物質に薬剤を入れて、有害物質が水に溶け出さないようにする措置です。
ねらいは、汚染が地下水に溶けて広がるのを防ぐことです。
つまり不溶化は、地下水を飲むことで体に入る経路(地下水経由のリスク)に対する措置です。
汚染土そのものは地中に残るため、じかに触れる直接摂取のリスクは下げません。
選択肢4は、地下水経由の措置である不溶化を直接摂取の措置に混ぜた、最も不適当な選択肢です。触れさせない措置が直接摂取、溶け出させない措置が地下水経由と押さえます。措置の全体像は土壌汚染の措置の論点ページで整理できます。
覚え方
- 直接摂取リスク=舗装・立入禁止・土壌入換え・盛土・掘削除去(触れさせない)/地下水経由リスク=不溶化・封じ込め・地下水拡大防止(溶け出させない)
- 不溶化・封じ込めが出てきたら、それは地下水経由の措置
- 指示措置は、汚染が見つかった要措置区域で都道府県知事が指示する
理解度チェック
問題:不溶化は、汚染土に直接触れる直接摂取のリスクを防ぐための措置である。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
不溶化は、有害物質が水に溶け出さないようにして、地下水経由のリスクを防ぐ措置です。汚染土は地中に残るため、直接摂取の措置ではありません。
問題:直接摂取によるリスクに係る措置には、舗装・立入禁止・土壌入換えなどがある。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
いずれも人と汚染土が触れないようにする措置です。盛土や掘削除去も同じ直接摂取の措置に含まれます。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「令和元年度 地質調査技士資格検定試験 土壌・地下水汚染部門 試験問題」。公表正答は選択肢4。
- 公益財団法人 日本環境協会(土壌汚染対策法に基づく指定支援法人)「土壌汚染対策法の概要」(直接摂取リスクの措置=舗装・立入禁止・土壌入換え・盛土・除去/地下水経由リスクの措置=不溶化・封じ込め・地下水汚染の拡大の防止)。
※ 区分は標準的な内容で、最新の法令・ガイドラインで確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月