地質調査技士 独学ノート

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土壌汚染の措置は過去問でどう問われる?物質の性質・摂取経路と対策工法の引っかけ

ちしつモグラ

ちしつモグラ

土壌汚染が見つかったら、どんな対策をするの?物質によって工法が違うの?

この記事の要点

  • 使える措置は物質の性質で決まる。揮発する第一種(VOC)は土壌ガス吸引や分解、揮発しない第二種(重金属)は不溶化や封じ込め。砒素に土壌ガス吸引は不適。
  • 措置は摂取経路でも分かれる。直接摂取リスクは舗装・立入禁止・土壌入替・掘削除去、地下水摂取リスクは不溶化・封じ込め・揚水。
  • 措置の指示は土地所有者等が原則。第一種には遮断工封じ込めは該当しない。

土壌汚染が見つかった土地で、健康被害を防ぐために行う対策を措置といいます。どの措置が使えるかは物質の性質と摂取経路で決まり、そこが問われるので、過去問での出方を見ていきます。

過去問でどう問われるか?

土壌汚染の措置は、令和元年度・令和3年度の土壌・地下水汚染部門でくり返し問われています。まず、使える措置が物質の性質と経路で分かれることを押さえます。

物質の性質で措置が分かれることを2列で示した図
使える措置は物質の性質で分かれる。揮発する第一種(VOC)は、気化させて集める土壌ガス吸引やエアスパージング、微生物で分解する原位置分解が向く。揮発しない第二種(重金属など)は、溶け出さないようにする不溶化や、掘削除去、封じ込めが向く。砒素は第二種で揮発しないので、土壌ガス吸引は使えない。
物質性質向く措置
第一種(VOC)揮発する土壌ガス吸引、エアスパージング、原位置分解(生物分解)、地下水揚水
第二種(重金属など)揮発しない不溶化、掘削除去、封じ込め(遮水工・遮断工)、地下水揚水

もう1つの分かれ目が摂取経路です。汚染土を口に入れる直接摂取リスクと、汚染が地下水に移る地下水摂取リスクで、向く措置が変わります。

リスクの経路向く措置
直接摂取リスク舗装、立入禁止、土壌入替、盛土、掘削除去
地下水摂取リスク不溶化、封じ込め、地下水揚水、原位置浄化

この2つの分かれ目をふまえると、引っかけは大きく次のパターンです。

  • 物質と措置がミスマッチ……揮発しない砒素などの第二種に土壌ガス吸引を当てる(吸引・分解は揮発する第一種向け)
  • 封じ込めの取り違え……揮発する第一種に遮断工封じ込めを該当させる(封じ込めは第二種向け)
  • 経路の取り違え……不溶化を直接摂取リスクの措置に入れる(不溶化は地下水摂取リスク向け)
  • 指示の相手方……原因者のうち寄与度が最も高い者に指示、とする(土地所有者等が原則)
  • 周辺への配慮……遮水工封じ込めで地盤変位量の測定を主眼とする(主眼は遮水機能など)
年度・No.問われ方/引っかけ
R01 土壌 No.77砒素に土壌ガス吸引を当てた → 砒素は第二種で揮発しない。吸引は第一種向け ←①物質と措置
R03 土壌 No.77第一種に遮断工封じ込めを該当させた → 第一種には該当しない ←②封じ込め
R01 土壌 No.78不溶化を直接摂取リスクの措置に入れた → 不溶化は地下水摂取リスク向け ←③経路
R01 土壌 No.79乳幼児が砂場利用する土地の指示措置 → 掘削除去 ←③直接摂取
R03 土壌 No.76原因者の寄与度最高の者に指示とした → 土地所有者等が原則 ←④指示の相手方
R01 土壌 No.100遮水工封じ込めで地盤変位量測定を主眼とした → 主眼は遮水機能など ←⑤周辺配慮

※ 問題番号と正解は、全地連が公開している過去問・正答で確認しています。上の行は該当する過去問解説にリンクしています。

つまり措置は物質の性質(揮発する第一種/しない第二種)と摂取経路(直接摂取/地下水)で決まり、不溶化は地下水側が核心です。

理解度チェック

問題:砒素で汚染された土壌には、土壌ガス吸引が有効な措置である。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

砒素は第二種で揮発しません。

土壌ガス吸引は揮発する第一種(VOC)向けです。

砒素には不溶化・掘削除去・封じ込めなどが向きます。

問題:不溶化は、汚染土を直接口にする直接摂取リスクに対する措置である。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

不溶化は地下水摂取リスクの措置です。直接摂取リスクには舗装・立入禁止・土壌入替・掘削除去などで対応します。

問題:措置の指示は、土地所有者等に対して行うのが原則である。

〇か×か。

答えを見る

答え:

措置の指示は土地所有者等が原則です。原因者が明らかで所有者に異議がなければ原因者に指示できますが、「複数なら寄与度最高の者に指示」という決まりはありません。

問われるのは、物質の性質・摂取経路・指示の相手方の3点。ここを外さなければ、措置の問題は取りこぼしません。

出典・参考資料

  • 地質調査技士検定 過去問題(全国地質調査業協会連合会=全地連/土壌・地下水汚染部門 R01 No.77・No.78・No.79・No.100、R03 No.76・No.77)。正答は全地連公開の正答番号で照合。
  • 環境省 中央環境審議会「土壌汚染対策法に基づく措置の概要」ほか(土壌ガス吸引・エアスパージング・不溶化・封じ込め・掘削除去などの対策工法と対象物質)。
  • 土壌汚染対策法(措置の指示・要措置区域の指示措置)。

※ 論点と用語の意味を自分の言葉で書いています。最新の法令・ガイドラインで確認してください。

地質調査技士 独学ノート 編集部

この記事を書いた人

地質調査技士 独学ノート 編集部

地質調査技士検定で過去に問われた用語・数値・調査手順を、地盤工学会の基準やJIS・国土交通省・環境省などの一次資料と、全地連の公式過去問に照らして整理しています。

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