令和7年度 地質調査技士 現場調査部門 No.101を解説、熱水変質
令和7年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門(選択B群)No.101は、熱水変質に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
熱水変質は、地下の熱い水(熱水)が岩石と反応して、もとの鉱物が別の鉱物(粘土鉱物など)に変わる作用です。何が起こるか、どこに生じるか、どう分布するかが問われます。
引っかけの核心は、変質帯の分布と範囲です。熱水変質は断層に限らず生じ、分布や規模が様々なので位置・範囲を特定できるとは限らないのに、選択肢3は「断層に沿って生じるため位置および範囲を特定できる」と言い切っています。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 熱水と岩石の反応である | ○ |
| 2 | 熱水の成分や温度、原岩の種類により生成する鉱物が異なる | ○ |
| 3 | 断層に沿って生じるため、変質帯の位置および範囲を特定できる | ×(誤り) 正答。特定できるとは限らない |
| 4 | 生じている範囲を熱水変質帯という | ○ |
選択肢1・2・4は、熱水変質を正しく述べています。選択肢3だけが、断層に沿うと言い切って範囲を特定できるとしています。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
熱水変質は、熱水が通る割れ目や断層に沿って生じることはありますが、断層に限らず、熱水が岩石に触れる所ならどこでも生じ得ます。しかも、熱水の成分・温度・量・原岩によって変質の種類も規模も変わるため、分布や規模が様々で、位置・範囲をはっきり特定できるとは限りません。
選択肢3は「断層に沿って生じるため、変質帯の位置および範囲を特定できる」と言い切っています。断層に沿うとは限らず、範囲も一律に特定できるわけではないので、この言い切りが誤りです。
選択肢3は、熱水変質の記述として最も不適当です。熱水変質は断層に限らず生じ、分布・範囲を特定できるとは限らないと押さえます。
覚え方
- 熱水変質は熱水と岩石の反応。断層に限らず生じ、分布や規模が様々で範囲を特定できるとは限らない
- 熱水の成分・温度・原岩で生成する鉱物が変わる。生じている範囲を熱水変質帯という
- 「断層に沿うため範囲を特定できる」という言い切りが引っかけ
理解度チェック
問題:熱水変質は断層に沿って生じるため、変質帯の位置および範囲を特定できる。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
断層に限らず生じ、分布や規模が様々です。位置・範囲を特定できるとは限りません。
問題:熱水変質では、熱水の成分や温度、原岩の種類により生成する鉱物が異なる。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
条件によってできる鉱物(粘土鉱物など)が変わります(選択肢2は正しい)。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「令和7年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 試験問題」
- 熱水変質に関する地質資料(熱水変質帯は断層に沿って規則的に生じるわけではなく、分布や規模が様々。熱水が接触する箇所であれば生じ得る)
※ 熱水変質の詳細は、最新の地質の一次資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月