四大公害と原因物質の組合せとは?新潟水俣病はメチル水銀
ちしつモグラ
水俣病と新潟水俣病って、原因物質は同じなの?
この記事の要点
- 水俣病と新潟水俣病は、どちらもメチル水銀化合物。名前が違っても原因物質は同じ。
- イタイイタイ病はカドミウム、四日市ぜんそくは硫黄酸化物。
- 新潟水俣病を有機りんとするのは誤り。有機りんは農薬などに使う別系統の物質。
四大公害と原因物質の組合せは、水俣病と新潟水俣病がメチル水銀化合物、イタイイタイ病がカドミウム、四日市ぜんそくが硫黄酸化物です。
4つのうち2つが水銀で、同じ物質による別の地域の被害という関係になっています。
4つの組合せ
| 公害 | 原因物質 | 地域・排出源 |
|---|---|---|
| 水俣病 | メチル水銀化合物 | 熊本県水俣市 |
| 新潟水俣病 | メチル水銀化合物 | 阿賀野川流域/昭和電工(株)鹿瀬工場 |
| イタイイタイ病 | カドミウム | 富山県神通川流域/三井金属鉱山神岡鉱業所 |
| 四日市ぜんそく | 硫黄酸化物(二酸化硫黄) | 三重県四日市市/石油コンビナート |
水俣病は、昭和31年5月に初めて患者の発生が報告されました。
四日市ぜんそくは、昭和36年ごろからぜん息のような症状を訴える住民が現れ、昭和38年6月ごろに訴えが顕著になりました。
水銀とカドミウムは体への入り方が違う
メチル水銀化合物は、工場排水から海や川に入り、魚を通じて人の体に入りました。
カドミウムは、鉱山の排水が神通川の水や流域を汚し、その水で育てた米などから人の体に入りました。
イタイイタイ病は、カドミウムの慢性中毒として、まず腎臓の障害が起き、次に骨がもろくなります。
硫黄酸化物は、石油コンビナートの煙として大気から吸い込む形です。
過去問での問われ方:1組だけ別系統の物質にすり替える
四大公害は土壌・地下水汚染部門で出ます(平成30年度 No.8)。
4組のうち3組を正しく並べ、1組だけ原因物質を入れ替える形です。
「新潟水俣病 ⇔ 有機りん」とするのは誤りです。
正しくはメチル水銀化合物で、水俣病と同じ物質です。
水俣病の組合せが正しく置かれているため、同じ水銀由来の新潟水俣病だけが外されていることに気づけるかが分かれ目になります。
あわせて整理:有機水銀 と 有機りん
有機水銀は水銀を含む有機化合物で、メチル水銀はその一種です。有機りんはりんを含む有機化合物で、農薬などに使われます。名前が似ていますが別系統です。
理解度チェック
問題:新潟水俣病の主な原因物質は、有機りんである。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
メチル水銀化合物です。水俣病と同じ物質で、阿賀野川流域で発生しました。
問題:イタイイタイ病の原因物質はカドミウムで、富山県神通川流域で発生した。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
カドミウムの慢性中毒により、腎臓の障害と骨がもろくなる症状が起きます。
水俣病と新潟水俣病はメチル水銀化合物で共通。イタイイタイ病はカドミウム、四日市ぜんそくは硫黄酸化物。
出典・参考資料
- 国立水俣病総合研究センター(環境省)「水俣病と水銀について」(原因物質=メチル水銀化合物/新潟水俣病=阿賀野川流域・昭和電工(株)鹿瀬工場/昭和31年5月に初めて患者の発生が報告)。
- 独立行政法人 環境再生保全機構「大気環境に関する用語集 イタイイタイ病」(カドミウムの慢性中毒/富山県神通川流域/三井金属鉱山神岡鉱業所)。
- 独立行政法人 環境再生保全機構「日本の大気汚染の歴史 四日市の大気汚染」(硫黄酸化物・二酸化硫黄/三重県四日市市/石油コンビナート)。
- 全地連 地質調査技士資格検定試験 平成30年度 土壌・地下水汚染部門 No.8。出題番号・正答は全地連が公開する資料で確認しています。
※ この記事の確認日:2026年7月