地球温暖化対策計画とは?建設機械のCO2削減と国土交通省の取組み
ちしつモグラ
地球温暖化対策計画って、地質調査と関係あるの?国土交通省は何をするの?
この記事の要点
- 地球温暖化対策推進法第8条第1項に基づく、政府の総合計画。
- 国土交通省の取組みは省エネ性能の高い建設機械の導入・住宅の省エネ化・公共交通機関の利用促進。
- 工事そのものを減らす計画ではない。工事のやり方を省エネにする計画。
地球温暖化対策計画とは、地球温暖化対策推進法にもとづいて政府が定める、温暖化対策の総合計画です。
正式には、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)の第8条第1項に基づいて策定されます。
各省庁がどの分野で何をするかを、この1本にまとめています。
国土交通省の取組み
建設と交通を所管するため、国土交通省の取組みは現場の機械と建物に関わります。
| 取組み | 計画での位置づけ |
|---|---|
| 建設機械の省エネ | 建設施工者等が省エネルギー性能の高い建設機械等を施工に導入する際の支援 |
| 住宅の省エネ化 | 住宅・建築物の省エネルギー化を進める |
| 公共交通機関の利用促進 | 公共交通機関及び自転車の利用促進 |
建設機械からのCO2排出量は1,197万tと推定されています(平成28年の計画本文)。
地質調査の現場で動くボーリングマシンや発電機も、この建設機械に含まれます。
「工事を減らす」ではなく「工事のやり方を変える」
計画が求めるのは、省エネ性能の高い機械を選ぶこと、建物の断熱を良くすること、公共交通に乗り換えることです。
公共工事の発注を減らすという趣旨の記述は、計画にありません。
インフラの整備や維持は、防災や生活の維持に必要だからです。
減らすのは工事の量ではなく、同じ工事から出るCO2です。
平成28年版から令和7年版への改定
計画は一度作って終わりではなく、目標が更新されています。
| 閣議決定 | 温室効果ガスの削減目標 |
|---|---|
| 平成28年5月13日 | 2030年度に2013年度比 26.0%減(2005年度比25.4%減) |
| 令和3年10月22日 | 前回計画を改定 |
| 令和7年2月18日(現行) | 2035年度に60%、2040年度に73%削減(いずれも2013年度から) |
検定で問われたのは平成28年版です。
現行は令和7年2月18日に閣議決定された計画で、目標年度も削減率も変わっています。
実務で数値を使うときは、現行版を見てください。
あわせて整理:計画 と 法律
地球温暖化対策推進法は枠組みを決める法律、地球温暖化対策計画はその第8条第1項に基づいて中身を決める計画です。法律が器で、計画が具体策になります。
過去問での問われ方:それらしい削減策を1つ混ぜる
地球温暖化対策計画は土壌・地下水汚染部門で出ます(令和3年度 No.22)。
4つの取組みのうち3つを計画どおりに並べ、1つだけ計画にない策を混ぜる形です。
「公共工事の発注削減」を国土交通省の取組みとするのは誤りです。
建設機械のCO2削減・住宅の省エネ化・公共交通機関の利用促進は、いずれも計画に実在します。
環境の話だから工事を減らす、と考えると引っかかります。
理解度チェック
問題:地球温暖化対策計画における国土交通省の取組みには、公共工事の発注削減が含まれる。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
計画にある取組みは、省エネ性能の高い建設機械の導入、住宅の省エネ化、公共交通機関の利用促進などです。工事の量を減らす策ではありません。
問題:地球温暖化対策計画は、地球温暖化対策推進法第8条第1項に基づく計画である。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)第8条第1項に基づいて策定される、政府の総合計画です。
地球温暖化対策推進法第8条第1項に基づく政府の総合計画。国交省は建設機械・住宅・公共交通で、工事の量ではなくCO2を減らす。
出典・参考資料
- 環境省「地球温暖化対策計画」平成28年5月13日閣議決定(地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)第8条第1項に基づき策定/2030年度に2013年度比26.0%減/建設機械からのCO2排出量は1,197万tと推定/(b)住宅の省エネ化/(f)公共交通機関及び自転車の利用促進)。
- 環境省「地球温暖化対策計画(令和7年2月18日閣議決定)」(2035年度・2040年度に2013年度からそれぞれ60%・73%削減/令和3年10月22日閣議決定の計画を改定)。
- 全地連 地質調査技士資格検定試験 令和3年度 土壌・地下水汚染部門 No.22。出題番号・正答は全地連が公開する資料で確認しています。
※ 計画は改定されます。数値は現行版(令和7年2月18日閣議決定)で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月