ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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設計図書と公共工事約款とは?食い違いは監督員に確認を請求、現場代理人は工事現場に常駐する

けんせつる

けんせつる

図面と仕様書が食い違ったら、どうするの?

勝手に決めちゃダメなの?

この記事の要点

設計図書は、図面・仕様書・現場説明書・質問回答書からなります。食い違いや明示のない事項があれば、受注者は監督員に確認を請求します。

現場代理人の常駐や一括下請負の禁止など、公共工事標準請負契約約款の要点と、過去問での問われ方を押さえます。

公共工事は、発注者と受注者が公共工事標準請負契約約款にもとづいて契約します。設計図書の扱いと約款の規定が、共通工学として試験で問われます。

設計図書は図面・仕様書・現場説明書・質問回答書からなり、食い違いや明示のない事項があれば、受注者は監督員に通知して確認を請求します。

設計図書の構成

設計図書は、工事の内容を示す書類の総称です。次の4つからなり、受注者はこれらにしたがって工事を行います。

設計図書の構成(図面・仕様書・現場説明書・質問回答書)の分類ツリー 設計図書 図面 仕様書 現場説明書 質問回答書
設計図書の構成。図面・仕様書(標準仕様書・特記仕様書)・現場説明書・質問回答書からなります。見積りや契約の基礎になる書類です。

仕様書には、共通的な事項を定める標準仕様書と、その工事に特有の事項を定める特記仕様書があります。工事材料の品質は設計図書によりますが、品質が明示されていないときは中等の品質のものを用います。

設計図書に食い違いがあったら

公共工事では、設計図書どうしに食い違いがあったり、誤り・脱漏があったり、明示のない事項が見つかったりすることがあります。このとき受注者は、自分の判断で進めず、監督員に通知して確認を請求します。設計図書に特別の定めがある仮設や施工方法は、その定めにしたがいます(特別の定めがなければ、受注者が自らの責任で定めます)。

公共工事標準請負契約約款の要点

公共工事標準請負契約約款には、発注者と受注者の役割や手続きが定められています。試験で問われる要点は次のとおりです。

  • 現場代理人は、工事現場の運営・取締りを行う。連絡体制が確保されるなど一定の場合は、常駐をしなくてよい(いかなる場合も常駐、ではない)。
  • 受注者は、工事の全部または主たる部分を一括して他人に請け負わせてはならない(一括下請負の禁止)。
  • 監督員の検査に直接必要な費用は、原則として受注者の負担とする。
  • 現場代理人と主任技術者(監理技術者)は、これを兼ねることができる。

確認を請求すべき5つの事実

「食い違ったら確認を請求する」といっても、何が起きたときかは約款の第18条(条件変更等)に5つ並んでいます。図面どうしの食い違いだけではありません

  • ①図面・仕様書・現場説明書・質問回答書が一致しないこと(優先順位が定められている場合を除く)
  • ②設計図書に誤謬または脱漏があること
  • ③設計図書の表示が明確でないこと
  • ④工事現場の形状・地質・湧水等の状態、施工上の制約など、設計図書に示された施工条件と実際の現場が一致しないこと
  • ⑤設計図書で明示されていない施工条件について、予期することのできない特別な状態が生じたこと

①〜③は書類そのものの不備、④⑤は書類と現場のずれです。掘ってみたら図面と違う地質だった、想定外の湧水が出た——こうした現場で初めて分かることも、確認請求の対象だという点が大事です。

請求を受けた監督員は、受注者の立会いの上、直ちに調査を行います。調査で事実が確認されれば、設計図書の訂正または変更が行われ、必要があれば工期や請負代金額も変更されます

だから「自分の判断で進めてはいけない」のは、単に手続きの問題ではありません。黙って施工すると、増えた手間や費用を自分でかぶることになります。確認請求は、受注者を守る仕組みでもあります。

現場代理人が「できないこと」は4つ

現場代理人は、契約に基づく受注者の権限をほぼすべて行使できます。ただし約款は、次の4つを除いています。

  • 請負代金額の変更
  • 請負代金の請求および受領
  • 工事関係者に関する措置請求の受理・決定・通知
  • 契約の解除

並べると共通点が見えます。お金と契約そのものに関わることです。現場代理人は現場を動かす人であって、会社として契約を結び直す人ではありません。この線引きが分かると、「現場代理人が請負代金の変更を行う」といった肢を迷わず切れます。

常駐についても、約款は「工事現場に常駐し」と定めたうえで、発注者が「運営・取締り・権限の行使に支障がなく、発注者との連絡体制が確保される」と認めた場合には常駐を要しないことができるとしています。原則は常駐、例外があるという形なので、「いかなる場合も常駐」も「常駐は不要」も、どちらも誤りになります。

混同しやすい用語

標準仕様書 と 特記仕様書

どちらも仕様書ですが、対象が違います。標準仕様書は、多くの工事に共通する一般的な事項を定めたものです。特記仕様書は、その工事だけの特別な事項を定めたものです。設計図書の食い違いは、受注者が勝手に優先順位で判断せず、監督員に確認を請求する、と押さえます。

過去問でどう問われたか

設計図書と公共工事標準請負契約約款は、2級・1級で繰り返し問われます。引っかけの中心は、確認請求の主体と、現場代理人・費用負担です。

設計図書に食い違い・明示のない事項があれば、受注者は監督員に確認を請求します。受注者が自分の判断で決める、現場代理人は必ず常駐、費用はすべて発注者負担、とするのが誤り肢の定番です。

年度・級・No.問われ方/引っかけ
平成24年度 1級 No.2現場代理人を「いかなる場合も工事現場に常駐」とするのは誤り(連絡体制の確保などで常駐は緩和されうる)
平成25年度 1級 No.2設計図書の食い違いや、明示のない仮設方法などは、監督員に通知して確認を請求すべき事項
平成25年度 2級 No.44公共工事標準請負契約約款の規定。事前調査・現場代理人の兼任など各記述の正誤
平成26年度 2級後期 No.44監督員の検査に要する材料の検査費用を「すべて発注者の負担」とするのは誤り(原則受注者の負担)/設計図書の表示は監督員に確認請求
平成27年度 1級 No.2設計図書に特別の定めがある仮設・施工方法を「受注者がその責任で定める」とするのは誤り(特別の定めがあれば従う)/一括下請負の禁止
平成26年度 2級 No.2公共工事標準請負契約約款の費用負担。品質特性で設計図書に影響の少ないものの扱い
令和5年度 1級 問題B No.2適当でないものを選ぶ。誤り=常駐を要しないことを「受注者の判断で」決められるとした肢(正しくは発注者が認めた場合)←判断する主体の取り違え。工期の変更で協議が整わないとき定めるのは発注者、設計図書を変更できるのも発注者、不可抗力の損害は発注者が確認して通知
令和6年度(前期)2級 No.49正しいものを選ぶ。正しい肢=支障がなく連絡体制が確保される場合の常駐の緩和。誤りは検査の破壊・復旧費用を発注者負担(正=受注者負担)、不用の支給材料の扱い、一括下請負

約款の問題は、行為の内容より主語(発注者か受注者か、監督員か現場代理人か)を先に確かめると誤りを見つけやすくなります。1問ごとの選択肢の解説は令和5年度 1級 問題B No.2令和6年度(前期)2級 No.49 にあります。

理解度チェック

問題:設計図書に食い違いを見つけた受注者は、監督員に通知して、その確認を請求しなければならない。

〇か×か。

答え:

食い違い・誤り・明示のない事項は、受注者が自分の判断で進めず、監督員に確認を請求します。

問題:現場代理人は、いかなる場合でも工事現場に常駐しなければならない。

〇か×か。

答え:×

連絡体制が確保されるなど一定の場合は、常駐をしなくてよいとされています。「いかなる場合も常駐」は誤りです。

問題:工事材料の品質が設計図書に明示されていないときは、中等の品質のものを用いる。

〇か×か。

答え:

品質は設計図書によりますが、明示がないときは中等の品質のものを用います。

まとめ

設計図書は図面・仕様書・現場説明書・質問回答書からなり、約款が発注者と受注者の手続きを定めます。

設計図書の食い違いは監督員に確認を請求、現場代理人の常駐は緩和されうるのが要点です。

確認請求の主体と現場代理人・費用負担が、過去問でよく問われます。請負契約の許可や技術者は建設業の許可主任技術者と監理技術者でまとめています。

参考資料

  • 公共工事標準請負契約約款 第6条・第10条・第13条・第18条(中央建設業審議会決定) 国土交通省
  • 国土交通省 土木工事共通仕様書・設計図書関連資料

※ 約款の規定は公共工事標準請負契約約款に基づきます。改正で内容が変わるため、最新の約款・仕様書で確認してください。

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