ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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水準測量とは?高低差=後視の合計-前視の合計と、前視・後視を等距離にする理由

けんせつる

けんせつる

水準測量の高低差って、どう計算するの?

昇降式って、何を引き算するの?

この記事の要点

水準測量は、レベルと標尺で2点間の高低差を測る測量です。昇降式では、高低差=後視の合計-前視の合計で求めます。

前視と後視を等距離にして誤差を消すこと、自動レベルのしくみと計算の手順を、過去問にそって押さえます。

水準測量は、土木の高さの基準をつくる基本の測量です。2級では昇降式の計算が、機器ではレベルの種類が、試験でよく問われます。

水準測量は、レベルと標尺で高低差を測る測量で、昇降式では高低差=後視の合計-前視の合計で求めます。

水準測量のしくみ(後視・前視)

レベルを2つの標尺の間に据え、すでに高さがわかっている点に立てた標尺を読むのが後視、高さを求めたい点に立てた標尺を読むのが前視です。後視から前視を引くと、その区間の高低差になります。

水準測量(後視・前視・高低差)の模式図 後視の標尺 既知点 レベル 前視の標尺 求点 視準線(水平)
水準測量の模式図(寸法は実物どおりではありません)。レベルを後視・前視の標尺の中間に据え、視準線を水平にして両方を読みます。

途中で高低差が大きいときは、もりかえ点(ターニングポイント)を設けてレベルを据え直しながら測り進めます。後視と前視を1組ずつ足し合わせていくのが昇降式です。

もりかえ点が要るのは、レベルから見える範囲に限りがあるからです。坂道や長い区間では、1回据えただけでは標尺が見えません。そこでいったん測った点を新しい既知点として、レベルを前へ移します。

このとき、もりかえ点では同じ場所で前視と後視の両方を読みます。前のレベル位置からは前視、新しい位置からは後視です。点は動かさず、機械だけを移すのがポイントで、点を動かすと高さがつながりません。

昇降式の計算

昇降式では、高低差=後視の合計-前視の合計で求めます。次の流れで計算します。

  • 各測点で後視(B.S.)と前視(F.S.)を読む。
  • 後視をすべて足す(後視の合計)。前視をすべて足す(前視の合計)。
  • 後視の合計から前視の合計を引くと、出発点から最終点までの高低差になる。
  • 求点の標高=出発点(既知点)の標高+高低差(高低差がマイナスなら、その分だけ低くなります)。

計算の流れの例を見てみます。既知点の標高を10.000mとし、後視が1.234m・1.567m、前視が0.890m・1.123mのとき、後視の合計は1.234+1.567=2.801m、前視の合計は0.890+1.123=2.013mです。高低差=2.801-2.013=+0.788mとなり、求点の標高は10.000+0.788=10.788mです。

なぜ「後視-前視」なのか

式を丸暗記すると符号を間違えます。後視と前視が何を意味しているかから考えると、引き算の向きが決まります。

レベルの視準線は水平です。この高さを基準に、両側の標尺を読みます。

読む相手値が大きいと
後視(B.S.)高さがわかっているその点は低い(標尺の上のほうを読む)
前視(F.S.)高さを求めたいその点は低い

標尺は下から上へ目盛が増えるので、読みが大きいほどその地点は低いことになります。

だから後視が大きく前視が小さいとき、出発点のほうが低く、求点のほうが高い=高低差はプラスになります。これが「後視-前視」の向きです。

「読みが大きい=低い」を押さえると、引き算の向きも結果の符号も迷いません。

誤差を消す・レベルの種類

視準線がわずかに傾いていても、前視と後視の距離を等しくすれば、その誤差は打ち消されます。レベルを2点のほぼ中間に据えるのはこのためです。往復観測をして、平均をとることでも精度を高めます。

打ち消される仕組みはこうです。視準線が水平より少し上を向いていると、遠いほど読みが大きく出ます。前視と後視の距離が同じなら、両方とも同じだけ大きく読むので、引き算したときに誤差が相殺されます。

逆に、片方だけ近く片方が遠いと、遠いほうの誤差だけが残ります。機械が完璧でなくても、据える位置で誤差を消せるのがこの方法の利点です。

「同じ量の誤差を両方に含ませて、引き算で消す」という考え方です。機器の精度より据える位置が効きます。

レベルには種類があります。自動レベルは、観測者が気泡管で合わせるのではなく、コンペンセータ(自動補正装置)で視準線を自動的に水平にします。電子レベルは、バーコードの専用標尺を読み取り、電子的に画像処理して読定します。どちらも人の目と手による誤差を減らすための仕組みで、気泡管を観測者が合わせるのは従来のレベルです。ここを入れ替えるのが定番の引っかけです。

混同しやすい用語

後視 と 前視

後視は、すでに高さがわかっている点(出発点・もりかえ点)の標尺を読む値です。前視は、これから高さを求める点の標尺を読む値です。高低差は「後視-前視」で、足すのは後視どうし・前視どうし、と整理できます。

過去問でどう問われたか

水準測量は、2級で昇降式の計算が、1級でレベルの種類が問われます。引っかけの中心は、計算での後視・前視の取り違えと、自動レベルのしくみです。

自動レベルはコンペンセータで自動的に視準線を水平にする機器です。「気泡管水準器で観測者が水平にする」とするのは誤りです。計算では、後視と前視を入れ替えると符号が逆になります。

年度・級・No.問われ方/引っかけ
平成25年度 1級 No.1レベルと標尺。自動レベルを「気泡管水準器により観測者が視準線を水平にする」とするのは誤り(コンペンセータで自動的に水平)←しくみの取り違え
2級(計算問題・ほぼ毎年)水準測量の昇降式で高低差・標高を計算。後視の合計-前視の合計で高低差を求める←後視と前視の取り違え
1級 TS・GNSS基準点測量トータルステーションやGNSS測量機による観測の手順・留意点。GNSSは電波を受信して位置を求める←観測手順の正誤

理解度チェック

問題:昇降式の水準測量では、高低差は後視の合計から前視の合計を引いて求める。

〇か×か。

答え:

高低差=後視の合計-前視の合計です。求点の標高は、既知点の標高にこの高低差を足して求めます。

問題:自動レベルは、観測者が気泡管水準器で視準線を水平にして観測する。

〇か×か。

答え:×

自動レベルは、コンペンセータ(自動補正装置)で視準線を自動的に水平にします。気泡管で観測者が合わせるのは誤りです。

問題:レベルを前視と後視の中間に据えると、視準線のわずかな傾きによる誤差を消すことができる。

〇か×か。

答え:

前視と後視の距離を等しくすると、視準線の傾きによる誤差が打ち消されます。だからレベルは2点のほぼ中間に据えます。

まとめ

水準測量は、レベルと標尺で高低差を測る測量です。

高低差=後視の合計-前視の合計、自動レベルはコンペンセータで自動水平が要点です。

昇降式の計算と自動レベルのしくみが、過去問でよく問われます。締固めの品質管理ではTS・GNSSで走行軌跡を管理する方法も問われます。

参考資料

  • 国土地理院「公共測量作業規程の準則」関連資料
  • 測量の標準的な計算方法(水準測量・昇降式)

※ 計算方法・機器のしくみは測量の標準的な内容に基づきます。基準や数値は最新の準則・資料で確認してください。

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土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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