けんせつる
閉合比って、どっちで割るの?
方位角の計算って、どうやるの?
この記事の要点
トラバース測量は、測点を結ぶ折れ線をたどって位置を求める測量です。2級では、閉合比と方位角の計算が問われます。
閉合比=閉合誤差÷全測線長、方位角は前の測線の方位角に観測角を加減して求めます。過去問での問われ方も押さえます。
トラバース測量は、基準点をつないで位置を決める基本の測量です。2級では計算問題として、閉合比と方位角が、ほぼ毎年出題されます。
トラバース測量は測点を結ぶ折れ線で位置を求める測量で、閉合比は閉合誤差を全測線長で割った値、方位角は前の測線の方位角に観測角を加減して求めます。
測点を順に結び、各測線の距離と角度を測って位置を求めるのがトラバース測量(多角測量)です。出発点に戻る閉合トラバース、既知点間を結ぶ結合トラバース、戻らない開放トラバースがあります。
| 種類 | 形 | 誤差の確認 |
|---|---|---|
| 閉合トラバース | 出発点に戻る | できる(戻ったずれ=閉合誤差) |
| 結合トラバース | 既知点から別の既知点へ | できる(着いた点とのずれ) |
| 開放トラバース | 戻らず、先が既知点でもない | できない |
開放トラバースは誤差を確かめる手段がありません。答え合わせができないので、精度が要る測量には使えません。閉合・結合が使われるのは、誤差を数値で確認できるからです。
閉合トラバースで一周すると、観測の誤差で出発点に正確には戻らず、わずかなずれが出ます。これが閉合誤差です。精度の良し悪しは、閉合比で表します。
閉合比=閉合誤差÷全測線長で求め、分子を1にした分数(1/N)で表します。割る向きを逆にしないことが大切です。Nが大きいほど精度が良いことになります。
計算の流れの例を見てみます。閉合誤差が0.008m、全測線長が197.377mのとき、閉合比=0.008÷197.377=1/(197.377÷0.008)=1/24672となり、分子を1にそろえて約1/25000と表します。
電卓での手順は「全測線長 ÷ 閉合誤差」を計算して、その答えを分母にするだけです。式は誤差÷全長ですが、1/Nの形にするには逆数をとるので、実際には長いほうを短いほうで割ります。割る順番を間違えると答えが桁ごと変わるので、最後に「分母は大きな数になったか」を確かめます。
閉合比を誤差÷全長で求めるのは、同じ誤差でも、測った距離が長いほど精度は高いからです。
| 全測線長 | 閉合誤差 | 閉合比 | 精度 |
|---|---|---|---|
| 100m | 0.01m | 1/10,000 | — |
| 1,000m | 0.01m | 1/100,000 | 10倍よい |
1kmも歩き回って1cmしかずれないほうが、100mで1cmずれるより明らかに丁寧に測っています。誤差だけを見ても精度は分かりません。距離で割ることで、はじめて比べられる値になります。
割る向きを逆にすると、Nが小さいほど精度がよいことになってしまいます。「小さい誤差を、長い距離で割る」=Nは大きくなる、という向きで覚えます。
1/25,000より1/50,000のほうが精度は上です。分母が大きいほど良いと押さえます。
方位角は、北の方向から右回りに測った、その測線の向きの角度です。各測点で観測した角(観測角)を使って、次の測線の方位角を順に求めます。
基本の式は、次の測線の方位角=前の測線の方位角+観測角-180°です。たとえば測線ABの方位角がわかっていれば、測点Bの観測角を足して180°を引くと、測線BCの方位角が求まります(足し引きで360°を超えたり負になったりするときは、360°を足し引きして0〜360°に収めます)。
なぜ180°を引くのかを押さえると、式を忘れても組み立てられます。
測点Bで測る観測角は、BからAを見た向きとBからCを見た向きの間の角です。ところが求めたいのはBからCへ向かう方位角で、基準にしたいのはAからBへ向かう向きです。
「BからAを見る向き」と「AからBへ向かう向き」は、ちょうど正反対=180°違います。だから観測角を足したあとに180°を引いて、向きをそろえます。
同じ線でも、どちら向きに見るかで方位角は180°変わります。この分の調整が「-180°」です。
混同しやすい用語
閉合誤差 と 閉合比
閉合誤差は、一周して戻ったときの位置のずれそのもの(長さ・m)です。閉合比は、その閉合誤差を全測線長で割った相対的な精度(1/Nの分数)です。誤差は長さ、比は割合、と整理できます。閉合比は「誤差÷全長」で、逆にすると間違いです。
トラバース測量の計算は、2級でR4〜R6にかけてほぼ毎年出ています。前期は方位角、後期は閉合比、という形が続いています。
閉合比は「閉合誤差÷全測線長」、方位角は「前の方位角+観測角-180°」です。割る向きや、足し引きを取り違えるのが、誤りの定番です。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和4年度 2級前期 No.43 | 方位角の計算。測線ABの方位角と各測点の観測角から、測線BCの方位角を求める |
| 令和4年度 2級後期 No.43 | 閉合比の計算。閉合誤差0.007m・全測線長197.257mから閉合比を求める(閉合誤差÷全測線長) |
| 令和5年度 2級前期 No.43 | 方位角の計算。AB方位角182°50′39″に測点Bの観測角を加減してBCの方位角を求める |
| 令和5年度 2級後期 No.43 | 閉合比の計算。閉合誤差0.008m・全測線長197.377mから閉合比を求め、分子を1にそろえる |
| 令和6年度 2級前期 No.48 | 方位角の計算。BC方位角=AB方位角+観測角B-180°で算定 |
| 令和6年度 2級後期 No.48 | 閉合比の計算。閉合誤差0.008m・全測線長236.770mから閉合比を求める |
問題:閉合比は、閉合誤差を全測線長で割って求め、分子を1にした分数で表す。
〇か×か。
答え:〇
閉合比=閉合誤差÷全測線長です。1/Nの形で表し、Nが大きいほど精度が良くなります。割る向きを逆にすると誤りです。
問題:閉合誤差0.008m、全測線長197.377mのトラバースの閉合比は、およそ1/25000である。
〇か×か。
答え:〇
197.377÷0.008=24672なので、閉合比はおよそ1/25000です。分子を1にそろえて表します。
問題:ある測線の方位角は、前の測線の方位角に観測角を足し、180°を加減して求める。
〇か×か。
答え:〇
次の測線の方位角=前の方位角+観測角-180°が基本です。0〜360°の範囲に収まるよう、必要なら360°を加減します。
トラバース測量は、測点を結ぶ折れ線で位置を求める測量です。
閉合比=閉合誤差÷全測線長、方位角=前の方位角+観測角-180°が要点です。
閉合比の割る向きと、方位角の足し引きが、過去問でよく問われます。高さを測る水準測量とあわせて、共通工学の計算問題として押さえます。
参考資料
※ 計算方法は測量の標準的な内容に基づきます。閉合比の許容値や丸め方は、最新の準則・資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月
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