令和4年度(2022年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.12は、鋼材の特性、用途に関する問題です。4つの記述のうち、最も適当でないものを1つ選びます。
鋼材の劣化には、さびる(腐食)と繰り返し荷重で壊れる(疲労)という別々の原因があります。
問われるのは、疲労が心配なときに耐候性鋼材を使うかどうかです。
引っかけは、防食のための鋼材を疲労対策として持ち出す形で作られています。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も適当でない記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 低炭素鋼は、延性、展性に富み、橋梁等に広く用いられている | ○(正しい) | 粘り強く加工しやすい |
| ⑵ 鋼材の疲労が心配される場合には、耐候性鋼材等の防食性の高い鋼材を用いる | ×(誤り) | 耐候性鋼材は腐食を抑える鋼材で、疲労には効かない。疲労対策は応力集中を減らす構造の工夫による |
| ⑶ 鋼材は、応力度が弾性限度に達するまでは弾性を示しますが、それを超えると塑性を示す | ○(正しい) | 限度を超えると元に戻らない |
| ⑷ 継続的な荷重の作用による摩耗は、鋼材の耐久性を劣化させる原因になる | ○(正しい) | 断面が減れば強度も落ちる |
耐候性鋼材は、表面に緻密なさびの層をつくって内部の腐食の進行を抑える鋼材です。
効くのは腐食に対してであって、繰り返し荷重で亀裂が進む疲労には働きません。
疲労が心配される場合に耐候性鋼材を用いるとする⑵は、対策と原因が対応していません。
疲労への対策は、溶接部の形状を整えて応力集中を減らす、継手の位置を応力の小さい場所にするなど、構造の工夫で行います。
⑴の低炭素鋼、⑶の弾性と塑性、⑷の摩耗は、いずれも正しい記述です。
鋼材の劣化を、原因ごとに並べると次のとおりです。
| 原因 | 起きること | 主な対策 |
|---|---|---|
| 腐食 | さびて断面が減る | 塗装、耐候性鋼材、めっき |
| 疲労 | 繰り返し荷重で亀裂が進む | 応力集中を減らす構造の工夫、溶接部の仕上げ |
| 摩耗 | 継続的な荷重で表面が削れる | 耐摩耗性の高い材料、断面の余裕 |
原因が違えば対策も違うため、材料で解決できるものと構造で解決するものを分けて考えます。
問題:鋼材の疲労が心配される場合には、耐候性鋼材等の防食性の高い鋼材を用いる。
〇か×か。
答え:×
耐候性鋼材は腐食対策です。疲労には構造の工夫で対応します。
問題:鋼材は、応力度が弾性限度を超えると塑性を示す。
〇か×か。
答え:〇
弾性限度を超えると、荷重を除いても元に戻りません。
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出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。鋼材の特性は標準的な内容で、最新の示方書で確認してください。
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