けんせつる
路盤の工法が多くて、どれをどこで使うか迷う…
締め固めるときの含水比、乾き気味?湿り気味?
この記事の要点
路盤の工法とは、安定材を加えない粒度調整と、安定材を混ぜる安定処理(瀝青・セメント・石灰)のことです。使う層と効く土で使い分けます。
含水比の誤り肢は、必ず「乾燥側」に振ってきます。「やや乾燥状態」「15%以上の乾燥状態」「最大含水比付近」「液性限界付近」は全部誤りです。
まず、路盤がどこの層で、工法がどう分かれるかを押さえます。
路盤は、表層・基層を支えて、交通の荷重を路床に分散させる層です。上側を上層路盤、下側を下層路盤といいます。上層路盤ほど強い材料を使い、下層路盤は一般に施工現場近くで経済的に入手でき、品質規格を満足するものを用います。下層路盤にはクラッシャランやスラグ等が使われます。
工法は、大きく2つに分かれます。
| 工法 | 加えるもの | おもな層 | 効く土・特徴 |
|---|---|---|---|
| 粒度調整 | なし(粒度をそろえる) | 上層路盤 | 粒度がそろうとかみ合いがよく、締め固めたときに安定する |
| 瀝青安定処理 (加熱アスファルト安定処理) |
アスファルト(瀝青材料) | 上層路盤 | 平坦性がよく、たわみ性や耐久性に富む |
| セメント安定処理 | セメント | 上層・下層とも | 砂・礫質の土に効く。下層路盤では一般に路上混合方式で製造 |
| 石灰安定処理 | 石灰(消石灰・生石灰) | おもに下層路盤 | 粘性土(シルト・粘土)に効く |
敷均しの機械も工法で変わります。加熱アスファルト安定処理路盤材料の敷均しは、一般にモータグレーダで行います。ブルドーザやモータグレーダなどアスファルトフィニッシャ以外で敷き均す場合は、材料の分離に留意します。
数値はそのまま問われます。4つだけ覚えます。
| 対象 | 数値 |
|---|---|
| 粒度調整路盤(上層路盤)の1層の仕上り厚さ | 15cm以下を標準 |
| 下層路盤の1層の仕上り厚さ | 20cm以下を標準 |
| セメント安定処理路盤の1層の仕上り厚さ | 10〜20cmを標準 |
| 下層路盤の粒状路盤材料 | 修正CBR 20%以上 |
上層路盤(15cm以下)より下層路盤(20cm以下)のほうが厚く取れます。上ほど精度が要るので薄く、下は厚くてよい、という向きです。
過去問でいちばん出るのが締固め時の含水比です。そして誤り肢は必ず「乾燥側」に振ってきます。
| 対象 | 正しい状態 | 出題された誤り肢 |
|---|---|---|
| 石灰安定処理路盤 | 最適含水比よりやや湿潤状態 | 「やや乾燥状態で行うとよい」 「最適含水比より15%以上の乾燥状態」 |
| 粒状路盤材料(粒度調整路盤) | 乾燥しすぎていれば適宜散水して、最適含水比付近 | 「最大含水比付近の状態で締め固める」 「液性限界付近の状態で締め固めて仕上げる」 |
石灰安定処理は「最適含水比よりやや湿潤」、粒状路盤材料は「最適含水比付近」。数値の細かい違いはありますが、どちらも乾かす方向ではないという点が共通しています。だから「乾燥」という語が出てきたら疑う。これで4年分の誤り肢が切れます。
逆に、粒状路盤材料が乾燥しすぎている場合の正しい対応は施工中に適宜散水することです。乾いたまま締め固めるのではなく、水を足して最適含水比付近に持っていきます。
混同しやすい用語
セメント安定処理 と 石灰安定処理
効く土が違います。セメントは砂や礫を多く含む土に効き、上層路盤・下層路盤の両方で使われます。石灰は粘性土(シルト・粘土)に効き、おもに下層路盤で使われます。締固めの含水比も違い、石灰安定処理は最適含水比よりやや湿潤状態で行います。
最適含水比 と 最大含水比・液性限界
締固めの基準は最適含水比です。「最大含水比付近」「液性限界付近」で締め固めるという記述は、いずれも誤りとして出題されています。粒状路盤材料は最適含水比付近、石灰安定処理は最適含水比よりやや湿潤です。
粒度調整 と 安定処理
安定材を加えるかどうかで分かれます。粒度調整は安定材を加えず、粒の大きさのバランスをそろえて骨材を混合します。安定処理は瀝青・セメント・石灰といった安定材を混ぜて強さを高めます。「粒度調整路盤は、瀝青材料を均一に敷き均し、締め固めて仕上げる」は、安定材を加えている時点で誤りです。
路盤の施工は1級・2級ともほぼ毎年出ます。引っかけは3型です。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和7年度 2級後期(No.24) | 石灰安定処理路盤を「最適含水比より15%以上の乾燥状態で締め固める」→ 誤り ←①(正答4) |
| 令和6年度 2級後期(No.24) | 石灰安定処理を「やや乾燥状態」、セメント安定処理を「十分硬化した後に締固め」、粒度調整路盤に瀝青材料とする ←①②③ |
| 令和5年度 2級前期(No.19) | 粒度調整路盤15cm以下・セメント安定処理10〜20cm・石灰安定処理はやや湿潤、が正しい肢(正答2) |
| 令和4年度 2級前期(No.19) | 粒度調整路盤材料を「最大含水比付近の状態で締め固める」→ 誤り ←①(正答1) |
| 令和7年度 1級(No.33) | 粒度調整路盤を「液性限界付近の状態で締め固めて仕上げる」→ 誤り。セメント安定処理を硬化が始まる前に締固め完了、が正しい肢 ←①(正答2) |
| 令和6年度 1級(No.33) | シックリフト工法で「側方端部を拘束するものがない場合は大型の締固め機械で締め固めると良い」→ 誤り(正答3) |
| 令和5年度 1級(No.28) | シックリフト工法の加熱アスファルト安定処理路盤を「早期交通開放すると初期わだち掘れ→舗設後に加熱するとよい」→ 誤り(正答4) |
7年分を並べると、含水比だけで4問が切れます。数値(15cm・20cm・10〜20cm・修正CBR20%)とあわせて、この2つが得点源です。
問題:石灰安定処理路盤の締固めは、最適含水比に対してどちら側で行うか。
最適含水比よりやや湿潤状態で行います。「やや乾燥状態で行うとよい」「最適含水比より15%以上の乾燥状態で締め固める」はいずれも誤りとして出題されています。(令和7年度2級後期 No.24、令和6年度1級 No.33)
問題:粒状路盤材料が乾燥しすぎている場合、どうするか。
施工中に適宜散水して、最適含水比付近の状態で締め固めます。乾いたまま締め固めるのではありません。「最大含水比付近」「液性限界付近」で締め固めるという記述は誤りです。(令和5年度1級 No.28、令和4年度2級前期 No.19、令和7年度1級 No.33)
問題:セメント安定処理路盤の締固めを、硬化が始まる前までに完了するのはなぜか。
硬化が始まってから締め固めると、固まりかけた組織を壊してしまい、所定の強度が出ないためです。敷き均した材料の表面を速やかに整え、硬化が始まる前までに締固めを完了します。「材料が十分硬化した後に行う」は誤りです。(令和7年度1級 No.33、令和6年度2級後期 No.24)
問題:1層の仕上り厚さは、粒度調整路盤と下層路盤でどちらが厚いか。数値も。
下層路盤のほうが厚く取れます。粒度調整路盤(上層路盤)は15cm以下、下層路盤は20cm以下が標準です。上の層ほど仕上りの精度が要るので薄く、下は厚くてよいという向きです。セメント安定処理路盤は10〜20cmが標準です。(令和5年度2級前期 No.19、令和7年度2級後期 No.24)
路盤材料そのものはクラッシャラン、上の層の締固めは初転圧・二次転圧・仕上げ転圧で確認できます。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月
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管理人からのコメント
路盤の工法は覚えることが多そうに見えますが、過去問の誤り肢は含水比に集中しています。しかも全部「乾燥側」です。「やや乾燥状態」「15%以上の乾燥」「最大含水比付近」「液性限界付近」。どれも湿らせる方向から外しています。
正しいほうは、石灰安定処理が最適含水比よりやや湿潤、粒状路盤材料が最適含水比付近(乾いていたら散水する)。「乾燥」の語を見たら疑うという当たりだけ持っていれば、かなり取れます。
数値のほうは、上層路盤15cm以下・下層路盤20cm以下という上ほど薄い関係で押さえると忘れにくいです。上は精度が要るので薄く、下は厚くてよい。セメント安定処理の10〜20cmだけ幅で覚えます。