けんせつる
密粒度とか開粒度とか、何が違うの?
アスファルト混合物の種類が多すぎ…
この記事の要点
アスファルト混合物とは、骨材(砂利・砂)とアスファルトを混ぜ合わせた舗装用の材料のことです。種類は骨材のすき間(空隙)の多さで分かれます。
名前が多くて覚えにくく見えますが、すき間が少ない順に並べるだけで用途がつながります。
すき間が多くなるほど施工が難しくなります。ここが1級の出題どころです。
まず、アスファルト混合物が何でできていて、なぜ種類が分かれるのかを押さえます。
アスファルト混合物(合材)は、骨材とアスファルトを加熱して混ぜたものです。骨材が骨組みをつくり、アスファルトがそれをつなぎ止めます。
種類が分かれる理由は、骨材の粒度の組み合わせにあります。大小の粒をバランスよく混ぜればすき間は少なくなり、粗い粒だけを集めればすき間は大きくなります。このすき間の量が、そのまま性質と用途を決めます。
骨材の粒の大きさそのものは最大粒径、舗装全体の層の重なりはアスファルト舗装の構成にまとめています。
| 種類 | 特徴 | おもな用途 |
|---|---|---|
| 密粒度 | すき間が少ない。耐流動性・耐摩耗性・すべり抵抗のバランスがよい | 一般道路の表層(標準) |
| 粗粒度 | 密粒度より粗い骨材 | おもに基層 |
| 細粒度 | 細かい骨材が多い。耐水性・ひび割れ抵抗にすぐれる | 交通量の少ない道路など |
| 開粒度 | 粗い骨材が主体。すき間が大きく表面が粗い | すべり止め舗装 |
| ポーラス | 空隙をとくに大きくし、水を路面下へ通す | 排水性舗装 |
粒度で分ける5つのほかに、目的から材料を組んだ舗装があります。1級ではこちらの用途の取り違えが問われます。
| 名称 | 中身 | 使う場所 |
|---|---|---|
| グースアスファルト舗装 | 高温で流動性の高い混合物を流し込む。不透水性・たわみ追従性 | 鋼床版の橋面舗装 |
| 大粒径アスファルト舗装 | 最大粒径の大きな骨材で骨格を強くする。耐流動性・耐摩耗性 | 重交通路線の基層・上層路盤など厚い層 |
| フォームドアスファルト舗装 | アスファルトに水分を加えて泡状にし、容積を増やして骨材とのなじみをよくする | 混合性を高めたい場面 |
| 砕石マスチック舗装(SMA) | フィラーの多いアスファルトモルタルで粗骨材のすき間を充填したギャップ粒度 | 耐久性が要る表層 |
| 半たわみ性舗装 | 空隙率の大きい開粒度混合物に浸透用セメントミルクを浸透させる | 交差点部など、わだち掘れを嫌う場所 |
グースは鋼床版、大粒径は厚い層。令和5年度1級No.31は、この2つの用途を入れ替えた肢が並びました。砕石マスチックの「アスファルトモルタル」を「浸透用セメントミルク」に替えると半たわみ性舗装の説明になります。
すき間が多いと、水が通るだけでなく空気も通ります。ここが施工上の分かれ目です。
ポーラスアスファルト混合物は、粗骨材どうしがかみ合った骨格の中に空隙を多く残しています。空隙が多い分だけ外気に触れる面積が大きく、密粒度系より熱が早く逃げます。
温度が下がってから転圧しても、かみ合った粗骨材は動きません。所定の締固め度に届かないまま固まります。だから敷き均したら速やかに初転圧します。敷均しと転圧の話がここでつながります。
すき間が多いということは、粒どうしが接している面積が小さいということです。アスファルトで留めている点が少ないので、交通の摩擦で粒がはがれて飛びやすくなります。すりつけ部の仕上げが難しいのも同じ理由です。
既設舗装を切削してポーラスアスファルト混合物を舗設するとき、切削溝が深いとその溝が水の通り道をふさぎます。せっかく水を下へ通す舗装なのに、下で水がたまります。だから切削面は凹凸ができるだけ小さくなるように仕上げます。「凹凸を大きくする」は令和6年度1級No.36の誤り肢でした。
混同しやすい用語
開粒度 と ポーラスアスファルト混合物
どちらもすき間(空隙)が大きく、見た目が似ています。違いは目的です。開粒度はおもに表面を粗くしてすべり止めにする用途、ポーラスは空隙をとくに大きくして水を下に通す排水機能をもたせます。すべり止めが目的か、水を通すのが目的かで使い分けます。
砕石マスチック舗装 と 半たわみ性舗装
砕石マスチック(SMA)は、フィラーの多いアスファルトモルタルで粗骨材のすき間を埋めたギャップ粒度の混合物です。半たわみ性舗装は、空隙率の大きい開粒度混合物に浸透用セメントミルクを浸透させたものです。埋めるものがアスファルトモルタルかセメントミルクかで分かれます。
グースアスファルト舗装 と 大粒径アスファルト舗装
グースは高温で流し込む不透水性の舗装で鋼床版の橋面舗装に、大粒径は骨格を強くする舗装で重交通路線の基層や上層路盤など厚い層に使います。用途を入れ替えるのが引っかけです。
混合物の種類は、1級では「各種アスファルト舗装」として用途の取り違えが、ポーラス単独では施工上の注意が問われます。引っかけは大きく3パターンです。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和7年度 1級(No.36) | ポーラスは敷均し後の温度低下が早く、敷均し終了後速やかに初転圧=正しい肢 |
| 令和6年度 1級(No.36) | 初転圧からタイヤローラ/タックコートをPK-3/切削面の凹凸を大きく、の3つが誤り ←③施工 |
| 令和5年度 1級(No.31) | グースと大粒径の用途を入れ替え、砕石マスチックの材料を半たわみ性のものに ←①② |
つまり密粒度が標準、すき間が多い開粒度・ポーラスは用途も施工も特殊。種類と用途の対応を覚えておけば、取り違えの肢はその場で切れます。
問題:ポーラスアスファルト混合物の温度低下が、密粒度系より早いのはなぜか。
空隙が多いぶん外気に触れる面積が大きく、熱が早く逃げるためです。温度が下がるとかみ合った粗骨材が動かなくなり、転圧しても所定の締固め度に届きません。だから敷均し後は速やかに初転圧します。(令和7年度1級 No.36)
問題:ポーラスアスファルト混合物を舗設する切削面で、凹凸を小さく仕上げるのはなぜか。
切削溝が深いと、その溝が路面下へ抜けてきた水の通り道をふさぐためです。排水機能をもたせた舗装なのに、下で水がたまります。「凹凸ができるだけ大きくなるように切削する」は誤りです。(令和6年度1級 No.36)
問題:開粒度アスファルト混合物とポーラスアスファルト混合物は、どちらもすき間が大きいのに用途が違うのはなぜか。
目的が違うためです。開粒度は表面を粗くしてすべり止めにするもの、ポーラスは空隙をとくに大きくして水を路面下へ通すものです。同じ「すき間が大きい」でも、狙っている効果が表面か内部かで分かれます。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月
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管理人からのコメント
種類の名前を覚えるより、「すき間が多いか少ないか」の1本の軸に並べるほうが早いです。すき間が多い舗装は、水を通せる代わりに、熱が早く逃げ、粒が飛びやすく、下地の凹凸にも弱い。長所と短所が同じ原因から出ています。
現場では、ポーラスの日は段取りが変わります。合材が着いてから初転圧までの時間が短いので、運搬の間隔とローラの配置を先に決めておかないと間に合いません。密粒度と同じ感覚で組むと、締固め度が出ません。