ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT
  1. HOME > 道路・舗装 > 改質アスファルトとは?

改質アスファルトとは?通常より高い温度で舗設する理由とⅠ〜Ⅲ型・H型の違い

けんせつる

けんせつる

改質アスファルトって、ふつうと何が違うの?

舗設温度は、高いの?低いの?

この記事の要点

改質アスファルトとは、ストレートアスファルトにゴムやポリマーなどの改質材を加えて、変形や摩耗に強くしたアスファルトのことです。

  • 粘度が高いので、通常の加熱アスファルト混合物より高い温度で舗設する。
  • ポリマー改質Ⅰ〜Ⅲ型=変形(わだち掘れ)に強い。重交通の道路など。
  • H型=ポーラスアスファルト混合物(排水性舗装)に使い、骨材の飛散を防ぐ。

「通常より低い温度で舗設する場合が多い」は誤りです。高低が逆になっています。

まず、何を加えて何が変わるのかを押さえます。

改質アスファルトとは何か

ふつうのアスファルト(ストレートアスファルト)には弱点があります。夏の高温でやわらかくなり、重い車が同じ場所を通るとわだち掘れが起きやすくなります。

そこでゴムやポリマーなどの改質材を加えて、この弱点をおぎなったものが改質アスファルトです。加えることで次が変わります。

  • 変形(わだち掘れ)に強くなる……高温でも軟らかくなりにくい。
  • 摩耗に強くなる……骨材が飛散しにくい。
  • 粘度が高くなる……ねばりが強い。★これが施工温度に効いてきます。

重交通の道路や、すき間の多いポーラスアスファルト混合物などに使われます。

改質アスファルトの分類(模式図) ストレート アスファルト +改質材 (ゴム・ポリマー) 改質アスファルト 粘度が高い ポリマー改質Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ型 変形(わだち掘れ)に強い H型 ポーラス(排水性舗装)に使う
改質アスファルトの分類(模式図)。

種類と使い分け

種類 特徴とおもな用途
ポリマー改質
Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型
変形(わだち掘れ)に強い。重交通の道路や、交差点・登坂車線など流動が起きやすい箇所に用いる。求められる性能に応じて型を使い分ける
H型 ポーラスアスファルト混合物排水性舗装)に用い、骨材の飛散を防ぐ。すき間が多く骨材どうしの接点が少ない混合物を、強い結合力でつなぎとめる

系統が2つに分かれるのは、求める性能が違うからです。Ⅰ〜Ⅲ型は形が変わらないこと、H型は骨材が取れないことを狙っています。

なぜ通常より高い温度で舗設するのか

ここが令和7年度1級の誤り肢になったところです。「改質アスファルト混合物を舗設する場合は、通常の加熱アスファルト混合物に比べてより低い温度で舗設を行う場合が多い」と書かれていました。高低が逆です。

理由は粘度です。改質材を加えたアスファルトはねばりが強く、流れにくくなっています。そのままの温度では敷き均しにくく、締め固めても骨材どうしが動いてくれません。

だから通常の加熱アスファルト混合物より高い温度で舗設します。温度を上げて粘度を下げ、作業できる状態にするわけです。

裏を返すと、改質アスファルトほど温度低下に弱いということでもあります。運搬中に冷めれば、通常の混合物より早く施工できない状態になります。現場では温度管理がより厳しくなる材料だと考えてください。

施工管理での確認ポイント

  • 舗設温度を確認する:通常の混合物より高い温度で管理されているか。仕様書の温度範囲を外れていないか。
  • 運搬中の保温を確認する:荷台をシートで覆うなど、温度低下を抑える手当てがされているか。寒冷期は特に。
  • 雨が降り始めたら待たない:敷均し作業は中止するが、すでに敷き均した混合物は雨がやむのを待たず、温度が下がる前に速やかに締め固める
  • 二次転圧の機械を確認する二次転圧振動ローラのほうがタイヤローラより少ない転圧回数で所定の締固め度が得られる。
  • H型の用途を確認する:ポーラスアスファルト混合物に使われているか。骨材飛散への対策として選ばれているか。

混同しやすい用語

改質アスファルト と ストレートアスファルト(舗設温度)

改質アスファルトのほうが高い温度で舗設します。改質材でねばりが強く粘度が高いため、温度を上げないと敷き均しも締固めもできません。「改質アスファルトは通常より低い温度で舗設する場合が多い」は誤りです。

ポリマー改質Ⅰ〜Ⅲ型 と H型

狙う性能が違います。Ⅰ〜Ⅲ型変形(わだち掘れ)に強いことを狙い、重交通の道路などに使います。H型ポーラスアスファルト混合物に使い、すき間の多い混合物から骨材が飛散するのを防ぎます。形が変わらないのがⅠ〜Ⅲ型、取れないのがH型です。

過去問でどう問われたか

改質アスファルトそのものを主題にした出題は多くありませんが、基層・表層の施工の中で舗設温度が問われています。

出題年度・級(問番)問われ方/引っかけ
令和7年度 1級(No.34)改質アスファルト混合物を「通常の加熱アスファルト混合物に比べてより低い温度で舗設」→ 誤り。高い温度。あわせて雨天時の締固めと二次転圧のローラも逆に書かれている(正答1)
令和7年度 1級(No.36)排水性舗装のポーラスアスファルト混合物。H型が使われる場面
令和6年度 1級(No.36)ポーラスアスファルト混合物
令和5年度 1級(No.31)道路の各種アスファルト舗装

令和7年度1級No.34は3つの肢がすべて「逆」という作りでした。改質アスファルトの温度、雨天時の締固め、二次転圧のローラ。正しい手順を逆向きに書き換える型なので、どちらが速い・高い・多いを意識して読むと切れます。

管理人からのコメント

改質アスファルトは「良い材料」というイメージが先に来るので、施工も楽になりそうな気がします。実際は逆で、粘度が高いぶん扱いにくい材料です。だから温度を上げる。ここが分かると、運搬中の保温がより重要になる理由もつながります。

この単元は当サイトの過去問解説では出題数が多くありません。ただし令和7年度1級No.34のように、基層・表層の施工という大きなくくりの中で1肢として出ます。材料単独ではなく、施工の流れの中で覚えておくと拾えます。

理解度チェック

問題:改質アスファルト混合物を、通常の加熱アスファルト混合物より高い温度で舗設するのはなぜか。

ゴムやポリマーを加えて粘度が高くなっており、そのままの温度では流れにくく敷き均しも締固めもしにくいためです。温度を上げて粘度を下げ、作業できる状態にします。「より低い温度で舗設を行う場合が多い」は誤りです。(令和7年度1級 No.34)

問題:敷均し作業中に雨が降り始めたら、すでに敷き均した混合物はどうするか。

雨がやむのを待たず、温度が下がる前にできるだけ速やかに締め固めます。待つと温度が下がり、水を含んで締固め不良を招きます。敷均し作業そのものは中止しますが、敷き均してしまった分は締め固めるのが正しい対応です。(令和7年度1級 No.34)

問題:ポリマー改質Ⅰ〜Ⅲ型とH型は、それぞれ何を狙った材料か。

Ⅰ〜Ⅲ型変形(わだち掘れ)に強いことを狙い、重交通の道路など流動が起きやすい箇所に使います。H型ポーラスアスファルト混合物(排水性舗装)に使い、すき間が多く骨材どうしの接点が少ない混合物から骨材が飛散するのを防ぎます

まとめ

  • 改質アスファルトは、ストレートアスファルトにゴムやポリマーを加えて変形・摩耗に強くしたもの。
  • 改質材で粘度が高くなるため、通常の加熱アスファルト混合物より高い温度で舗設する。「低い温度」は誤り。
  • 粘度が高いぶん温度低下に弱い。運搬中の保温がより重要になる。
  • ポリマー改質Ⅰ〜Ⅲ型=変形(わだち掘れ)に強い。重交通の道路など。
  • H型=ポーラスアスファルト混合物に使い、骨材の飛散を防ぐ
  • あわせて出る論点=雨天時は待たずに速やかに締固め、二次転圧は振動ローラのほうが少ない回数で締固め度が得られる。

混合物の種類はアスファルト混合物の種類、すき間の多い舗装は排水性舗装、締固めの手順は初転圧・二次転圧・仕上げ転圧で確認できます。

参考資料

  • 日本道路協会「舗装施工便覧」「舗装再生便覧」
  • 一般財団法人 全国建設研修センター 公表の第一次検定 問題・正答
T

無料・独学でまなぶ資格のT

T|運営・編集

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

過去問解説

このサイトについて

Topへ >>

  1. HOME > 道路・舗装 > 改質アスファルトとは?