令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.2】は、レイノルズ数が15,000の乱流を層流にする条件を選ぶ問題です。4つの条件のうち、適当なものを1つ選びます。
正しいのは選択肢3です。
設問が、レイノルズ数が2,000未満で層流になるという条件を与えています。15,000を2,000未満にするには、7.5分の1より小さくしなければなりません。
ここで引っかかるのが、3分の1では届かないという点です。15,000の3分の1は5,000で、まだ2,000を大きく超えています。9分の1にして、はじめて2,000を下回ります。
※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。
正解:選択肢3
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | × | 管内径が3分の1なので5,000です。2,000未満になりません |
| 2 | × | 管内径が3倍なので45,000です。かえって大きくなります |
| 3 | ○(適当) | 平均流速が9分の1なので約1,667です。2,000未満になります |
| 4 | × | 平均流速が9倍なので135,000です。かえって大きくなります |
レイノルズ数は、次のように定められています。
日本マリンエンジニアリング学会誌 第48巻第3号(2013)用語解説「レイノルズ数」より
物体の長さをL とする.同物体の流れの中での速度をU,流体の粘性率をη,流体の密度をρ,動粘性率ν=η/ρとしたとき,R=ρLU/η=LU/νであらわされる無次元の数R をレイノルズ数という.流れが層流から乱流へ遷移する条件を記述するためにレイノルズが導入したパラメータである.レイノルズ数R は慣性の大きさと粘性の大きさの比と考えられ,物体の大きさ,流速,流体の種類が変わってもR が等しければ流れの状態は変わらない(これをレイノルズの相似法則という).
円管の場合、このLが管内径、Uが平均流速にあたります。つまりレイノルズ数は、管内径と平均流速の両方に比例します。同じ水を流すのであれば動粘性率は変わらないので、比だけで答えが出ます。
| 選択肢 | 変える量 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 1 | 管内径を3分の1 | 15,000 ÷ 3 | 5,000。乱流のまま |
| 2 | 管内径を3倍 | 15,000 × 3 | 45,000。乱流のまま |
| 3 | 平均流速を9分の1 | 15,000 ÷ 9 | 約1,667。層流になる |
| 4 | 平均流速を9倍 | 15,000 × 9 | 135,000。乱流のまま |
管内径と平均流速のどちらを変えても、レイノルズ数への効き方は同じです。選択肢1と選択肢3を比べると、変える量が3分の1か9分の1かという違いだけで、内径か流速かは結果に関係しません。ここを取り違えると、選択肢1を選んでしまいます。
層流と乱流そのものも、同じ用語解説に説明があります。
同 用語解説「層流と乱流」より
不規則な変動を含まない流れを層流という.例えば細い円管を通して水を流すとき,流速が十分遅ければ層流となり,水の各部分は管軸に平行に動く.一方で時間的,空間的に不規則な乱れを含む流れ(層流でない流れ)を乱流という.
円管内に流体を流すとき,層流であれば流体の各部分は管軸に平行に動くが,レイノルズ数が大きくなるといろいろな大きさの渦が不規則に発生し乱流状態になる.
なお、レイノルズ数と粘性力の結び付きは、この試験でも出ています。令和6年度の1級 問題A No.4は、流体の用語の組合せから関係のないものを選ぶ問題で、レイノルズ数と粘性力の組合せを正しいものとして置いています。同じ年度で関係がないとされたのは、ジュコフスキーの式と毛管現象の組合せです。
流体の読み分けは流速が3倍になると圧力損失は何倍か?流体の読み分けで扱っています。
レイノルズ数15,000の流れを層流にするには、平均流速を何分の1にすればよいか。
この設問の条件(2,000未満で層流)では、9分の1にすれば約1,667となり層流になります。3分の1では5,000にしかならず、乱流のままです。
レイノルズ数は何と何の比か。
慣性の大きさと粘性の大きさの比です。動粘性率をνとすると、物体の長さLと速度Uを用いてLU/νで表される無次元の数です。日本マリンエンジニアリング学会誌の用語解説によります。
管内径を変えた場合と平均流速を変えた場合で、レイノルズ数への効き方は違うか。
違いません。レイノルズ数は管内径と平均流速の積に比例するため、どちらを何倍にしても同じだけ変わります。この設問はその点を試しています。
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層流と乱流の境目とされる値は、流れの条件や文献によって幅があります。試験では設問が与えた条件に従ってください。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月