令和8年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.61は、労働契約及び災害補償について労働基準法上で誤っているものを選ぶ問題です。未成年者の労働契約・違約金・災害補償の権利・休業補償が並びます。
この問題は、労働基準法が労働者の側に立って何を守っているかを読めば解けます。4つの選択肢はどれも、使用者の都合で労働者が不利にならないようにする規定です。
引っかけの核心は、選択肢3が「退職することにより変更される」と、労働者に不利な向きで書かれている点です。法律が定めているのは正反対です。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(誤っているもの)
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 1 | 正しい | 第58条第1項 | 親権者又は後見人は、未成年者に代って労働契約を締結してはならない |
| 2 | 正しい | 第16条 | 不履行について違約金を定める契約をしてはならない |
| 3 | 誤り | 第83条第1項 | 退職によって変更されることはない |
| 4 | 正しい | 第76条第1項 | 療養中に賃金を受けない場合の補償 |
誤っているのは選択肢3です。
災害補償の権利については、条文が短くはっきり書いています。
労働基準法 第83条(補償を受ける権利)
補償を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。
2 補償を受ける権利は、これを譲渡し、又は差し押えてはならない。
変更されることはないです。選択肢3はこの否定を外して、逆の意味にしています。
この規定が要る理由ははっきりしています。業務でけがをした人が療養しているあいだに退職したとして、そこで補償が切れるなら、使用者は退職させれば補償から逃れられることになります。第2項が譲渡と差押えも禁じているのも同じ狙いで、補償が本人以外の手に渡らないようにしています。
選択肢4の休業補償も、条文の中身と合っています。
労働基準法 第76条第1項(休業補償)
労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。
「前条」は療養補償を定めた第75条です。療養補償を受けて療養している間に、働けず賃金を受けられないという条件がそろったときの補償で、選択肢4の書き方と一致します。
選択肢1・2も労働者を守る側の規定です。第58条第1項は親が子に代わって働く約束をすることを禁じ、第16条は辞めたら違約金という縛りを禁じています。どちらも、労働者が自分の意思で働き、辞められるようにするためのものです。
災害補償を受ける権利は、労働者が退職するとどうなるか。
変更されません(労働基準法第83条第1項)。譲渡することも差し押さえることもできません。
休業補償の額はいくらか。
平均賃金の100分の60です。療養のため働けず賃金を受けられない期間について、使用者が行います。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月