令和7年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.88は、建設の事業における災害補償に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題は、労働基準法が定める災害補償のしくみを問うものです。数次の請負での責任の所在、遺族補償、労災保険との関係、障害補償が並びます。
なかでも引っかけの核心は1点、数次の請負で誰が使用者とみなされるかです。条文はわざわざ例外を置いて元請負人に責任を寄せています。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 数次の請負では元請負人を使用者とみなす(労働基準法第87条第1項) |
| 2 | ○(正しい) | 業務上死亡したときは遺族補償を行う(同第79条) |
| 3 | ○(正しい) | 労災保険法の給付が行われる場合は補償の責を免れる(同第84条第1項) |
| 4 | ○(正しい) | 治った後に障害が残るときは障害補償を行う(同第77条) |
選択肢1の「その元請負人は使用者とはみなされない」という記述が誤りで、条文は逆を定めています。
労働基準法第87条第1項は、数次の請負によって行われる場合、災害補償についてはその元請負人を使用者とみなすと定めています。条名も「請負事業に関する例外」です。
建設現場では何次もの下請が入り、災害に遭った労働者を直接雇っているのは末端の会社であることが多くなります。その会社に支払能力がないと補償が届かないので、元請負人に責任を寄せています。
第2項は、書面による契約で下請負人に補償を引き受けさせた場合はその下請負人も使用者とすると続けます。元請の責任を消す規定ではなく、引き受け手を増やす規定です。
建設の事業が数次の請負で行われる場合、災害補償の使用者は誰か。
元請負人です。労働基準法第87条第1項が「その元請負人を使用者とみなす」と定めています。書面による契約で引き受けさせた下請負人も使用者となります。
労災保険法から給付が行われるとき、使用者の災害補償はどうなるか。
労働基準法の災害補償に相当する給付が行われる限り、使用者は補償の責を免れます。同法第84条第1項の定めです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月