令和8年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.15は、交流の架空送電線路において単導体と比較した多導体の特徴に関する問題です。多導体の合計断面積は単導体の断面積に等しいという条件で、4つの記述のうち最も不適当なものを選びます。
この問題は、電線を細く分けて何本かにまとめると何が変わるかを問うものです。静電容量、送電容量、コロナ損失、系統安定度の4つが並びます。
引っかけの核心は1点、静電容量が増えるか減るかです。断面積の合計は同じという条件があるので、変わるのは太さではなく見かけの大きさです。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な記述)
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| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 等価半径が大きくなるので静電容量は増加する |
| 2 | ○(正しい) | インダクタンスが減り、送電容量は増える |
| 3 | ○(正しい) | 表面の電界がゆるむのでコロナが起きにくい |
| 4 | ○(正しい) | リアクタンスが小さくなるぶん、系統安定度は上がる |
変化の向きが逆になっている選択肢1が答えです。
多導体は、1相を細い電線何本かに分け、スペーサで間隔を保って束ねたものです。合計の断面積が同じでも、束全体を1本の電線と見たときの太さ、つまり等価半径は単導体よりずっと大きくなります。
静電容量は、電線と大地や他相との間にできるコンデンサの容量にあたります。電線が太いほど向かい合う面が広がるので、等価半径が大きい多導体では静電容量は増加します。選択肢1はここを減少としており、向きが逆です。
同じ理由で、電線のまわりの磁束が減ってインダクタンスは小さくなります。インダクタンスが減るとリアクタンスも減り、送電容量が増えて系統安定度も上がります。表面の電界がゆるむのでコロナも起きにくくなります。
等価半径が大きくなるという1点から、静電容量は増える、インダクタンスは減る、コロナは減る、が全部たどれます。増えるのは静電容量と送電容量、減るのはインダクタンスとコロナ損失と対で覚えます。
多導体にすると静電容量とインダクタンスはどうなるか。
等価半径が大きくなるため、静電容量は増加し、インダクタンスは減少します。
多導体でコロナ損失が減るのはなぜか。
等価半径が大きくなり、電線表面の電界がゆるむためです。コロナは表面の電界が強いほど起きやすくなります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月