令和7年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.59は、事業者が事故報告書を所轄労働基準監督署長に遅滞なく提出しなければならない場合として、「労働安全衛生法」上で定められていないものを選ぶ問題です。火災・ゴンドラ・移動式クレーン・建設用リフトの4つが並びます。
この問題は、機械の大きさの下限を問うものです。報告の対象になるかどうかは、機械の種類だけでなく能力の数値でも決まります。
引っかけの核心は、選択肢4の積載荷重0.2tです。事故の中身は報告対象と同じでも、この大きさでは規則の適用を受けません。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(定められていないもの)
| 選択肢 | 報告対象か | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 対象 | 事業場での火災の事故 |
| 2 | 対象 | ゴンドラのアームの折損事故 |
| 3 | 対象 | つり上げ荷重0.5tの移動式クレーンの転倒 |
| 4 | 対象外 | 積載荷重0.2tの建設用リフト |
定められていないのは選択肢4です。
事故報告の根拠は、労働安全衛生規則にあります。
労働安全衛生規則 第96条第1項
事業者は、次の場合は、遅滞なく、様式第二十二号による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
一 事業場又はその附属建設物内で、次の事故が発生したとき
イ 火災又は爆発の事故(次号の事故を除く。)
ロ 遠心機械、研削といしその他高速回転体の破裂の事故
ハ 機械集材装置、巻上げ機又は索道の鎖又は索の切断の事故
ニ 建設物、附属建設物又は機械集材装置、煙突、高架そう等の倒壊の事故
選択肢1の火災は、第1号イにそのまま挙げられています。提出先が「所轄労働基準監督署長」であること、「遅滞なく」提出することも、この柱書きに書かれています。
クレーンやリフトの事故は、この先の号で扱われます。ここで大切なのは、機械の名前だけでなく大きさの条件が付く点です。
| 機械 | 問題での能力と判定 |
|---|---|
| 移動式クレーン | つり上げ荷重0.5t → 対象(選択肢3) |
| 建設用リフト | 積載荷重0.2t → 対象外(選択肢4) |
この2つを並べると、同じような小さい数値でも、機械ごとに下限が違うことが分かります。移動式クレーンは0.5tでも対象になりますが、建設用リフトの0.2tは対象になりません。
選択肢2のゴンドラは、平成28年度にも同じ形で出ています。
平成28年度(後期)2級 学科試験 No.62(正答は選択肢2)
「事業者は、ゴンドラのワイヤロープが切断した事故が発生したときは、[ア]、報告書を[イ]に提出しなければならない。」
2.遅滞なく/所轄労働基準監督署長
ゴンドラの事故は報告対象で、提出は「遅滞なく」「所轄労働基準監督署長」へです。平成30年度(後期)No.62 でも、研削といしの破裂の事故について同じ組合せが正答になっています。
報告の相手と時期はどの事故でも共通なので、この設問で問われるのは「その事故が対象に入るか」だけです。数値が付いている肢は、その数値を疑います。
労働安全衛生法上の事故報告書は、いつ誰に提出するか。
遅滞なく、所轄労働基準監督署長に提出します。様式第二十二号による報告書です。
機械の事故が報告対象かどうかは、何で決まるか。
機械の種類と、つり上げ荷重や積載荷重などの能力の数値です。機械ごとに下限が違うので、数値が書かれている肢は確かめます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月