令和7年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.43は、絶縁抵抗測定について、最も不適当なものを選ぶ問題です。測定値を読むタイミング・高圧回路の測定電圧・低圧幹線の測定電圧・測定前のチェックの4点が並びます。
この問題は、ケーブルを測るときにいつ指示値を読むかを問うものです。ケーブルは静電容量が大きく、測り始めてしばらくは値が動き続けます。
引っかけの核心は、選択肢1の「測定開始直後の指示値」です。過去問には同じ論点が「指針が安定してからの値」と書かれています。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当なもの)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 誤り | 指針が安定してから読む |
| 2 | 正しい | 高圧回路は1,000Vの絶縁抵抗計 |
| 3 | 正しい | 低圧幹線は500Vの絶縁抵抗計 |
| 4 | 正しい | 測定前に電池・開放・0のチェックを行う |
最も不適当なのは選択肢1です。
読むタイミングは、平成29年度に正しい肢として書かれています。
平成29年度(後期)2級 学科試験 No.50 選択肢4(正しい肢/正答は選択肢3)
対地静電容量が大きい回路なので,絶縁抵抗計の指針が安定してからの値を測定値とした。
この年に不適当とされたのは選択肢3の「測定前に絶縁抵抗計の接地端子(E)と線路端子(L)を短絡し、スイッチを入れて指針が無限大(∞)であることを確認した」でした。指針が安定してから読む肢は、正しいものとして残っています。
ケーブルで待つ必要があるのは、導体と大地の間がコンデンサになっているからです。測定電圧をかけた瞬間は充電電流が流れ、抵抗が低いかのような値を示します。充電が進むにつれて電流が減り、指針は本来の値へ向かって上がっていきます。
開始直後の値を読めば、実際より低い絶縁抵抗が出てしまいます。ケーブルが長いほど静電容量は大きく、安定するまでの時間も長くなります。
同じ平成29年度の設問には、測定電圧の使い分けも並んでいます。
平成29年度(後期)2級 学科試験 No.50 選択肢1・選択肢2(正しい肢)
1.高圧ケーブルの各心線と大地間を,1000Vの絶縁抵抗計で測定した。
2.200V電動機用の電路と大地間を,500Vの絶縁抵抗計で測定した。
どちらも正しい肢です。高圧なら1,000V、低圧なら500Vを使うという令和7年度の選択肢2・選択肢3は、ここで確定します。
選択肢4のチェックは、測定器そのものが正常かを確かめる手順です。
平成29年度で誤りにされた肢は、この開放と短絡を取り違えたものでした。短絡すれば抵抗は0なので、∞を指したらおかしいことになります。
ケーブルの絶縁抵抗を測るとき、なぜ指針が安定するまで待つのか。
対地静電容量が大きく、測定開始直後は充電電流が流れて実際より低い値を示すためです。充電が進むと指針は本来の値に近づきます。
高圧回路と低圧幹線では、絶縁抵抗計の測定電圧をどう使い分けるか。
高圧回路は1,000V、低圧幹線は500Vの絶縁抵抗計を使います。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月