令和7年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.20は、電動機のみに至る低圧電路に施設する過電流遮断器について、「電気設備の技術基準とその解釈」上で誤っているものを選ぶ問題です。過負荷保護装置・短絡保護専用遮断器の能力・動作する電流・収める箱の4点が並びます。
この問題は、短絡保護専用遮断器がどのくらいの電流では動かないべきかを問うものです。電動機は始動のときに大きな電流が流れます。
引っかけの核心は、選択肢3の「定格電流の1倍の電流で自動的に動作する」です。これでは通常の運転電流で切れてしまいます。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(誤っているもの)
> この論点をやさしく解説:短絡保護専用遮断器は何倍で動くのか?電動機の分岐回路に置く過電流遮断器の条件
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 正しい | 過負荷保護装置は焼損のおそれがある過電流を遮断する |
| 2 | 正しい | 過負荷保護装置が焼損する前に短絡電流を遮断する能力を持つ |
| 3 | 誤り | 定格電流の1倍では動作しないものとする |
| 4 | 正しい | 専用の1の箱の中に収める |
誤っているのは選択肢3です。
同じ論点が、令和1年度に言い方を変えて出ています。
令和1年度(後期)2級 学科試験 No.22 選択肢3(正答は選択肢3)
短絡保護専用遮断器は,当該遮断器の定格電流で自動的に遮断するものとする。
この肢が不適当とされました。定格電流で遮断してはいけないということです。令和7年度後期の選択肢3も、「定格電流の1倍の電流で自動的に動作する」と同じことを書いています。
短絡保護専用遮断器は、名前のとおり短絡だけを見る遮断器です。過負荷は別の装置(過負荷保護装置)が受け持ちます。役割を分けているので、短絡保護専用遮断器は短絡と呼べるほどの大電流でなければ動いてはいけません。
電動機の始動電流は定格の数倍に達します。定格電流の1倍で動く遮断器を付ければ、電動機を起動するたびに切れてしまい、運転できません。
2つの装置の受け持ちを整理します。
| 装置 | 受け持ち |
|---|---|
| 過負荷保護装置 | 定格を少し超えた電流が続く状態。電動機の焼損を防ぐ |
| 短絡保護専用遮断器 | 短絡による大電流。過負荷保護装置が焼ける前に切る |
選択肢2は、この分担がうまくいくための条件です。短絡電流は非常に大きいので、過負荷保護装置のほうが先に壊れてしまわないよう、遮断器が素早く切る必要があります。
選択肢4の「専用の1の箱の中に収める」は、2つの装置を組み合わせて1つの過電流遮断器として使うときの決まりです。別々に置くと、片方だけ交換されたり外されたりして、組合せが崩れる恐れがあります。この規定は1級でも繰り返し正しい肢として出ています。
短絡保護専用遮断器が定格電流で動作してはいけないのはなぜか。
電動機の始動電流は定格の数倍になるため、定格で動く遮断器では起動のたびに切れてしまうからです。短絡だけを見るのがこの遮断器の役目です。
過負荷保護装置と短絡保護専用遮断器の受け持ちの違いは。
過負荷保護装置は定格を少し超えた電流が続く状態を、短絡保護専用遮断器は短絡による大電流を受け持ちます。組み合わせて使うときは専用の1の箱に収めます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月