令和7年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.15は、三相3線式配電線路の送電端電圧と受電端電圧の間の電圧降下を表す簡略式を選ぶ問題です。R・X・cosθ・Iの記号が与えられています。
この問題は、式を2つの点で絞り込めるかを問うものです。前に付く係数と、Rにかかる三角関数の2点で、4つの選択肢が振り分けられています。
4つの選択肢は1/√3 と √3、(Rsinθ+Xcosθ)と(Rcosθ+Xsinθ)の組合せでできています。それぞれを別々に決めれば答えが出ます。
※ 問題の図そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4
| 選択肢 | 正誤 | 式 |
|---|---|---|
| 1 | 誤り | v=(1/√3)I(Rsinθ+Xcosθ) → 両方とも違う |
| 2 | 誤り | v=(1/√3)I(Rcosθ+Xsinθ) → 係数が違う |
| 3 | 誤り | v=√3・I(Rsinθ+Xcosθ) → 三角関数が逆 |
| 4 | 正しい | v=√3・I(Rcosθ+Xsinθ) |
正しいのは選択肢4です。
覚える式はこれです。
三相3線式の電圧降下(簡略式)
v=Vs-Vr=√3・I(Rcosθ+Xsinθ)〔V〕
単相2線式の場合
v=2I(Rcosθ+Xsinθ)〔V〕
2つの点を別々に押さえます。
1つ目は係数です。三相3線式は√3、単相2線式は2が付きます。三相3線式の線間電圧が相電圧の√3倍であることに対応しています。1/√3 とする選択肢1・2は、この時点で外れます。
2つ目は三角関数の組合せです。抵抗Rには cosθ、リアクタンスXには sinθ が付きます。R と cos、X と sin が組になると覚えます。選択肢1・3はこれが逆になっています。
この組合せになるのは、電流の向きを基準に見たとき、抵抗による電圧降下は電流と同じ向き、リアクタンスによる電圧降下は90度ずれた向きに生じるためです。それぞれを電圧の向きへ投影すると、Rには cosθ、Xには sinθ が掛かります。
力率が1のとき(cosθ=1、sinθ=0)を入れてみると、式の形が確かめられます。
力率1のとき
v=√3・I(R×1+X×0)=√3・IR
リアクタンスの項が消え、抵抗だけの電圧降下になる → 筋が通る
逆に選択肢3の形に力率1を入れると v=√3・IX となり、抵抗があるのに抵抗の影響が消えて、リアクタンスだけが残るという不自然な結果になります。この検算でも選択肢3を外せます。
三相3線式の電圧降下の簡略式は。
v=√3・I(Rcosθ+Xsinθ)〔V〕です。単相2線式なら係数が2になります。
式が正しいかを力率で検算するには。
力率1(cosθ=1、sinθ=0)を入れます。正しい式なら v=√3・IR となり、抵抗だけの電圧降下になります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月