令和7年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.7は、単相2線式と比較した三相3線式の特徴について、最も不適当なものを選ぶ問題です。線間電圧・力率・配電距離は同一で、材質と太さが同じ電線を使う条件が付いています。
この問題は、三相3線式がなぜ広く使われているかを問うものです。同じ電線を使って、より多くの電力を送れることが最大の持ち味です。
引っかけの核心は、選択肢1が「小さくなる」としている点です。持ち味を打ち消す向きに書かれています。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当なもの)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 誤り | 1線あたりの送電電力は大きくなる |
| 2 | 正しい | 三相から単相を取り出せる |
| 3 | 正しい | 同じ電力なら送電損失が小さい |
| 4 | 正しい | 回転磁界が得られ電動機に適する |
最も不適当なのは選択肢1です。
同じ電線・同じ線間電圧・同じ電流という条件で、送れる電力を比べます。
単相2線式 電線2本
P1=VIcosθ → 1線あたり P1/2=0.5VIcosθ
三相3線式 電線3本
P3=√3・VIcosθ → 1線あたり P3/3=(√3/3)VIcosθ≒0.58VIcosθ
比べる 0.58/0.5=約1.15倍 → 三相3線式のほうが大きい
三相3線式のほうが、1線あたり約1.15倍の電力を送れます。電線を無駄なく使えるということです。選択肢1はこれを逆にしています。
選択肢3の送電損失も、同じ理屈から出てきます。同じ電力を送るなら、三相3線式のほうが流す電流を小さくできるので、損失(I2R)が減ります。単相2線式と三相3線式で同じ電力を送るとき、電流の比は次のようになります。
同じ電力Pを送るとき
単相2線式 I1=P/(Vcosθ)
三相3線式 I3=P/(√3・Vcosθ)=I1/√3
三相は電流が1/√3=約0.58倍になる → 損失が小さくなる
選択肢4の回転磁界は、三相でなければ簡単に作れないものです。位相が120度ずつずれた3つの電流が流れることで、磁界がひとりでに回ります。三相誘導電動機がこれで回るので、動力用には三相が使われます。
選択肢2は、三相3線式の3本のうち2本を使えば単相が取り出せる、という話です。1つの配電線で動力と電灯の両方をまかなえるので、実際の配電でもよく使われます。
三相3線式は、単相2線式と比べて1線あたりの送電電力がどうなるか。
大きくなります。単相2線式が0.5VIcosθ、三相3線式が約0.58VIcosθで、約1.15倍です。
同じ電力を送るとき、三相3線式の電流は単相2線式の何倍か。
1/√3(約0.58倍)です。電流が小さくなるぶん、送電損失も小さくなります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月