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令和7年度(前期)2級電気工事施工管理技士 No.8を解説、鉄損は負荷によらない

令和7年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.8は、送配電系統の電力損失について、最も不適当なものを選ぶ問題です。変圧器の銅損・鉄損と、電力ケーブルの抵抗損・その他の損失が並びます。

この問題のポイント

この問題は、損失を負荷で変わるものと変わらないものに分けて覚えているかを問うものです。分け方が分かれば、選択肢を読むだけで判断できます。

引っかけの核心は、選択肢2が鉄損に「負荷電流の2乗に比例」を当てている点です。この言い回しが当てはまるのは銅損のほうです。

※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(最も不適当なもの)

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 正しい 銅損の大半は巻線の抵抗損
2 誤り 鉄損は負荷電流に関係なく一定。2乗に比例するのは銅損
3 正しい ケーブルの抵抗損は線路電流の2乗に比例
4 正しい ケーブルには誘電損やシース損もある

最も不適当なのは選択肢2です。

選択肢2のポイント(ここが答え)

鉄損が負荷電流に依らないことは、過去の出題で確かめられます。

令和5年度(後期)2級 第一次検定 No.3(最も不適当なものを選ぶ問題/正答は選択肢1)

1.鉄損は、負荷電流に比例する。
3.銅損は、負荷電流の2乗に比例する。

この年は選択肢1が不適当とされ、選択肢3は正しい肢として残りました。つまり鉄損は負荷電流に比例せず、2乗に比例するのは銅損だと確定します。令和7年度の選択肢2は、この2つを取り違えた形です。

2つの損失は、どこで生じるかが違います。

  • 鉄損 鉄心のなかで生じる。ヒステリシス損と渦電流損からなり、電圧と周波数で決まるので負荷が変わっても一定。無負荷損とも呼ぶ
  • 銅損 巻線の抵抗で生じる。流れる電流の2乗に比例するので負荷とともに増える。負荷損とも呼ぶ

電圧を掛けている限り鉄心は磁化され続けるので、負荷をつながなくても鉄損は出ています。いっぽう銅損は電流が流れて初めて出るので、無負荷ならほぼ0です。「無負荷でも出るのが鉄損、電流とともに増えるのが銅損」と分けると混ざりません。

選択肢4のケーブルの損失も同じ整理ができます。抵抗損は電流で決まりますが、誘電損は絶縁体に電圧が掛かることで生じるので、電流ではなく電圧の側に属します。シース損は金属シースに流れる電流による損失です。

覚え方

  • 鉄損は負荷によらず一定(無負荷損)、銅損は電流の2乗に比例(負荷損)
  • 鉄損はヒステリシス損と渦電流損。電圧と周波数で決まる
  • ケーブルの損失は抵抗損・誘電損・シース損

理解度チェック

Q.

変圧器の鉄損は負荷電流とどう関係するか。

関係しません。電圧と周波数で決まるため、負荷が変わっても一定です。無負荷損とも呼ばれます。

Q.

負荷電流の2乗に比例する損失はどれか。

銅損です。巻線の抵抗で生じるため、電流の2乗に比例します。負荷損とも呼ばれます。

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参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定(前期)問題」「同 正答肢」
  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定(後期)問題」No.3「同 正答肢」
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