令和7年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.16は、配電系統に生じる電力損失の軽減対策として、最も不適当なものを選ぶ問題です。配電電圧・給電点の位置・絶縁監視装置・単相3線式の4点が並びます。
この問題は、並んだ4つが損失を減らす対策かどうかを問うものです。損失は電流の2乗に比例するので、対策は電流を減らすか経路を短くする方向に集まります。
引っかけの核心は、選択肢3の絶縁監視装置です。安全のための機器で、電流の大きさには関わりません。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当なもの)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 正しい | 電圧を高くすれば同じ電力でも電流が減る |
| 2 | 正しい | 給電点を負荷の中心にすれば経路が短くなる |
| 3 | 誤り | 絶縁監視装置は漏電を見張る機器。損失とは別 |
| 4 | 正しい | 単相3線式は単相2線式より電流が減る |
最も不適当なのは選択肢3です。
この設問は、保護や監視の機器を1つ混ぜてくる作り方をします。平成27年度も同じ形でした。
平成27年度(後期)2級 学科試験 No.10(正答は選択肢3)
配電系統に生ずる電力損失の軽減対策として,不適当なものはどれか。
1.配電電圧を高くする。 2.太い電線に張り替える。
3.放電クランプを設置する。 4.負荷の中心に給電点を設置する。
この年は放電クランプが答えでした。放電クランプは雷害対策の金具で、損失とは関わりません。令和7年度後期はこれが絶縁監視装置に入れ替わっただけです。
選択肢1と選択肢4も、この年の選択肢1・4とほぼ同じです。3つの正しい対策は変えず、混ぜる1つだけを取り替えて出題されます。
損失が減る仕組みは、どれも同じ式から出ています。
配電線の損失 PL=I2R(三相なら3I2R)
減らす手は2つ
・I(電流)を小さくする → 電圧を高くする、単相3線式にする、力率を改善する
・R(抵抗)を小さくする → 太い電線にする、給電点を負荷の中心にして距離を短くする
損失は電流の2乗に効くので、電流を減らす手のほうが効きます。選択肢1の配電電圧を高くするのは、同じ電力を送るのに必要な電流を減らす手です。
選択肢4の単相3線式は、同じ電力を送るときの電流が単相2線式の半分になります。電圧が2倍取れるためです。損失は2乗で効くので、電流が半分なら損失は4分の1になります。
絶縁監視装置は、電路の絶縁が落ちていないかを常時見張る機器です。漏電による感電や火災を防ぐためのもので、電流の大きさも電線の抵抗も変えません。
配電線の電力損失を減らす2つの方向は何か。
電流を小さくすることと、電線の抵抗を小さくすることです。損失はI2Rなので、電流のほうが強く効きます。
絶縁監視装置は何のための機器か。
電路の絶縁が落ちていないかを常時見張る機器です。漏電による感電や火災を防ぐためのもので、電力損失とは関わりません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月