令和7年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.11は、火力発電所の燃焼ガスによる大気汚染を軽減するために用いられる装置として、最も不適当なものを選ぶ問題です。脱気器・排煙脱硝装置・電気集じん器・排煙脱硫装置の4つが並びます。
この問題は、装置が煙の側と水の側のどちらにあるかを問うものです。火力発電所には煙を処理する系統と、ボイラの水を扱う系統があります。
引っかけの核心は、選択肢1の脱気器です。名前に「気」が付くので煙の処理に見えますが、扱っているのは水のほうです。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当なもの)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 誤り | 脱気器はボイラ給水から溶けた酸素を除く装置 |
| 2 | 正しい | 排煙脱硝装置は窒素酸化物を除く |
| 3 | 正しい | 電気集じん器はばいじんを除く |
| 4 | 正しい | 排煙脱硫装置はいおう酸化物を除く |
最も不適当なのは選択肢1です。
脱気器は、ボイラへ送る水に溶けている酸素などの気体を取り除く装置です。水に酸素が溶けたままだと、ボイラの配管や器具がさびます。そのさびを防ぐために、あらかじめ気体を追い出しておきます。
置かれているのは水が流れる系統の途中で、煙が通る道ではありません。だから燃焼ガスによる大気汚染とは関わりません。
残る3つは、煙が通る道に並ぶ装置です。前の問題(令和7年度後期 No.62 ほかで扱われる大気汚染防止法)でいうばい煙の3種類に、そのまま対応しています。
| 装置 | 取り除くもの |
|---|---|
| 排煙脱硫装置 | いおう酸化物(硫黄の「硫」) |
| 排煙脱硝装置 | 窒素酸化物(硝酸の「硝」) |
| 電気集じん器 | ばいじん(すす・灰などの粒子) |
名前の漢字1字で見分けられます。「硫」は硫黄、「硝」は硝酸で窒素です。この2つを取り違えないようにします。
電気集じん器は、煙の中の粒子を静電気で吸い付けて集める装置です。高電圧をかけて粒子を帯電させ、反対の極の板に引き寄せます。電気を使う装置なので、電気工事の側からも見ておく価値があります。
火力発電所の装置は、煙の側か水の側かで分けて覚えると混ざりません。脱気器のほかに、給水加熱器や復水器も水の側の装置です。
脱気器は何をする装置か。
ボイラへ送る水に溶けている酸素などの気体を取り除く装置です。配管や器具のさびを防ぐためのもので、煙の処理とは関係しません。
排煙脱硫装置と排煙脱硝装置は、それぞれ何を除くか。
脱硫装置はいおう酸化物、脱硝装置は窒素酸化物です。「硫」は硫黄、「硝」は窒素と覚えます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月