令和7年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.10は、「平行平板電極間に被加熱物を置いて、この電極間に加える高周波電界によって加熱する方式」に該当する電気加熱方式を選ぶ問題です。誘電加熱・誘導加熱・抵抗加熱・赤外線加熱の4つが並びます。
この問題は、名前の似た2つの方式を電界か磁界かで分けられるかを問うものです。誘電と誘導は1字違いですが、加熱の仕組みがまったく違います。
記述にある「高周波電界によって」が手がかりです。電界と書いてあれば誘電加熱です。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も適当なもの)
> この論点をやさしく解説:誘導加熱と誘電加熱の違いは?IH調理器と電子レンジで見分ける方法を整理
| 選択肢 | 記述との対応 | その方式の仕組み |
|---|---|---|
| 1 | 該当する | 交番電界による誘電損で加熱 |
| 2 | 該当しない | 交番磁界による渦電流損・ヒステリシス損 |
| 3 | 該当しない | 通電したときのジュール熱 |
| 4 | 該当しない | 赤外線電球などの放射熱 |
最も適当なのは選択肢1です。
誘電加熱が電界を使うことは、令和1年度に空欄を埋める形で出ています。
令和1年度(後期)2級 学科試験 No.12(正答は選択肢3=電界/電子レンジ)
「誘電加熱は,交番[ア]中に置かれた被加熱物中に生じる誘電損により加熱するものである。誘電加熱の一部であるマイクロ波加熱は,[イ]などに利用されている。」
3.電界/電子レンジ
アに入るのは電界です。令和2年度にも、正しい肢として同じ内容が出ています。
令和2年度(後期)2級 学科試験 No.12 選択肢2(正しい肢/正答は選択肢3)
誘電加熱は,交番電界中において,絶縁性被熱物中の誘電体損による発熱を利用する。
いっぽう誘導加熱は磁界です。こちらは平成30年度に出ています。
平成30年度(前期)2級 学科試験 No.12(正答は選択肢2=誘導加熱)
「交番磁界内において,導電性の物体中に生じるうず電流損や磁性材料に生じるヒステリシス損を利用して加熱する。」
2つを並べると、誘電=電界、誘導=磁界で分かれることがはっきりします。
| 方式 | 使うもの | 加熱できるもの/身近な例 |
|---|---|---|
| 誘電加熱 | 電界 | 絶縁物(食品・木材など)/電子レンジ |
| 誘導加熱 | 磁界 | 導体・磁性体(金属)/IH調理器 |
加熱できる相手も逆です。誘電加熱は電気を通さないものを温め、誘導加熱は電気を通すものを温めます。電子レンジに金属を入れてはいけないこと、IHで土鍋が使えないことが、この違いを表しています。
問題文の「平行平板電極間に被加熱物を置いて」という書き方も手がかりです。2枚の板で挟むのはコンデンサと同じ形で、その間にできるのは電界です。
誘電加熱と誘導加熱は、それぞれ何を使って加熱するか。
誘電加熱は交番電界、誘導加熱は交番磁界です。誘電加熱は誘電損、誘導加熱は渦電流損やヒステリシス損を利用します。
誘電加熱で温められるのはどんな物か。
食品や木材などの絶縁物です。金属を温めるのは誘導加熱のほうです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月