令和6年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.17は、中性点非接地方式の高圧配電系統において地絡事故から系統を保護するために使用する機器として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、地絡保護に使う機器の組合せを分かっているかを問うものです。地絡を検出するには零相の電流と電圧を取り出す機器が要ります。
高圧カットアウトヒューズは、変圧器を過電流から守るための機器です。
正解:選択肢4(高圧カットアウトヒューズ)
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| 選択肢 | 機器 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 真空遮断器 | 継電器の指令で回路を切る。適当 |
| 2 | 零相変流器(ZCT) | 地絡電流を検出する。適当 |
| 3 | 接地形計器用変圧器(EVT) | 零相電圧を検出する。適当 |
| 4 | 高圧カットアウトヒューズ | 変圧器の過電流保護用。不適当 |
不適当なのは選択肢4です。
引っかけの核心は、4つとも高圧配電系統に実際に付いている機器で、置き場所では見分けられないところです。何を検出して何を切るかで分けます。
地絡保護は、次の3つがそろって成り立ちます。
| 役割 | 機器 | はたらき |
|---|---|---|
| 検出(電流) | 零相変流器(ZCT) | 三相をまとめて通し、行きと帰りの差=地絡電流を取り出す |
| 検出(電圧) | 接地形計器用変圧器(EVT) | 地絡で中性点がずれた分=零相電圧を取り出す |
| 判断 | 地絡方向継電器(DGR) | 電流と電圧の位相から、事故が構内か構外かを見分ける |
| 切る | 真空遮断器(VCB) | 継電器の指令を受けて回路を開く |
選択肢1の真空遮断器は、それ自体が地絡を検出するわけではありません。しかし継電器が動作したときに実際に回路を切る役なので、地絡から系統を守る機器の一つです。
選択肢4の高圧カットアウト(PC)は、柱上変圧器の一次側に付ける開閉器で、中にヒューズが入っています。変圧器が過負荷になったり短絡したりしたときに溶断して切り離すためのものです。地絡電流は小さいので、ヒューズは溶断しません。
中性点非接地方式では、地絡が起きても流れる電流が数アンペア程度しかありません。線路の静電容量を通って戻る分だけだからです。過電流を見る機器では検出できないので、零相の量を取り出す専用の機器が要ります。
この方式には、地絡電流が小さいので通信線への誘導障害が小さいという利点があります。一方で、健全相の対地電圧が上がるため、機器の絶縁を高くする必要があります。
零相変流器と接地形計器用変圧器は何を取り出すか。
零相変流器は地絡電流(零相電流)、接地形計器用変圧器は零相電圧を取り出します。
高圧カットアウトの役割は。
柱上変圧器の一次側に付け、過負荷や短絡のときにヒューズが溶断して変圧器を切り離すことです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月