令和6年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.11は、火力発電に用いられるタービン発電機に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、タービン発電機の軸の向きを分かっているかを問うものです。回転が速いので、軸を寝かせた横軸形にします。
立軸形が使われるのは、ゆっくり回る水車発電機です。
正解:選択肢2(立軸形が採用される)
> この論点をやさしく解説:水車発電機とは?タービン発電機との違いと回転子が突極形になる理由
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 極数は2極又は4極 | 高速回転なので少ない。適当 |
| 2 | 立軸形が採用される | 横軸形。不適当 |
| 3 | 大容量機は水素冷却方式 | 冷却の効きがよい。適当 |
| 4 | 単機容量が増せば効率が良くなる | 損失の割合が減る。適当 |
不適当なのは選択肢2です。
引っかけの核心は、発電機という同じ言葉でも、タービンと水車で作りが正反対なところです。
| 項目 | タービン発電機(火力) | 水車発電機(水力) |
|---|---|---|
| 軸の向き | 横軸形 | 立軸形(大容量の場合) |
| 回転速度 | 速い(3,000・3,600min-1) | 遅い |
| 極数 | 2極・4極 | 多極(十数〜数十極) |
| 回転子の形 | 円筒形(非突極形) | 突極形 |
| 直径と長さ | 細くて長い | 太くて短い |
タービン発電機は毎分3,000回転(60Hz地域なら3,600回転)で回ります。この速さで縦に立てると軸受にかかる負担が大きく、振れも抑えにくいので、横に寝かせます。
水車発電機は遅く回るので、立てても支えられます。むしろ立軸にすると、水の通り道をまっすぐ下へ取れるので都合が良くなります。
選択肢1の極数は、回転速度の式から出てきます。
Ns = 120f ÷ p
Ns:同期速度〔min-1〕 f:周波数〔Hz〕 p:極数
2極・50Hz → 120×50 ÷ 2 = 3,000〔min-1〕
速く回すには極数を少なくする必要があります。だから2極か4極になります。
選択肢3の水素冷却は、空気の代わりに水素を封入して冷やす方式です。水素は空気より熱の伝わりがよく、密度が小さいので風損も小さくなります。ただし空気と混ざると爆発するおそれがあるため、機内の水素純度を保つ管理が要ります。
タービン発電機の軸形式は。
横軸形です。毎分3,000回転前後で回るため、寝かせて軸受の負担を抑えます。
水素冷却方式の利点は。
空気より熱がよく伝わり、密度が小さいので風損も小さくなることです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月