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令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 No.45を解説、公称でなく最大

令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.45は、高圧引込ケーブルの絶縁耐力試験における交流の試験電圧として、電気設備の技術基準とその解釈上 適当なものを選ぶ問題です。

この問題のポイント

この問題は、基準になる電圧と倍率の2つを同時に押さえているかを問うものです。基準は公称電圧ではなく最大使用電圧です

倍率は1.5倍です。

正解:選択肢3(最大使用電圧の1.5倍)

> この論点をやさしく解説:絶縁耐力試験の電圧は何倍か?公称電圧と最大使用電圧の取り違えで落とす

> この論点をやさしく解説:絶縁耐力試験とは?手順の4点と試験電圧を解釈の条文で確かめる

各選択肢の正誤

選択肢 試験電圧 解説
1 公称電圧の1.5倍 倍率は合うが基準が違う
2 公称電圧の2倍 どちらも違う
3 最大使用電圧の1.5倍 基準も倍率も合う
4 最大使用電圧の2倍 基準は合うが倍率が違う

適当なのは選択肢3です。

選択肢3のポイント(正解の求め方)

まず、公称電圧と最大使用電圧は別のものです。

公称電圧  その電路を呼ぶときの電圧(6 600 Vなど)

最大使用電圧 実際に加わりうる上限の電圧
        公称電圧6 600 Vなら 6 600 × 1.15 ÷ 1.1 = 6 900 V

この6 900 Vを基準にして、1.5倍が試験電圧になります。

公称電圧6 600 Vの高圧ケーブルの試験電圧

 最大使用電圧 = 6 600 × 1.15 ÷ 1.1 = 6 900 V
 試験電圧   = 6 900 × 1.5 = 10 350 V

この10 350 Vを連続して10分間加え、これに耐えることを確かめます。

直流で試験することもできます。ケーブルは静電容量が大きく、交流だと大きな試験装置が要るからです。

試験電源 試験電圧 6 600 V回路での値
交流 最大使用電圧の1.5倍 10 350 V
直流 交流の試験電圧の2倍 20 700 V

直流のほうが値は高くなりますが、充電電流が流れないので装置は小さくて済みます。ケーブルの試験では直流がよく使われます。

試験の手順にも決まりがあります。

絶縁耐力試験の流れ

 ① 試験前に絶縁抵抗を測る
 ② 試験電圧を10分間加える
 ③ 試験後にもう一度絶縁抵抗を測る
 ④ 直流で試験した場合は残留電荷を放電する

④を忘れると危険です。ケーブルには電荷が残っていて、触れると感電します

絶縁抵抗の測定だけでは足りないのは、高い電圧をかけたときに初めて出る欠陥があるからです。絶縁耐力試験はそれを見つけるために行います。

覚え方

  • 基準は最大使用電圧。公称電圧ではない
  • 交流は1.5倍を10分間。直流はその2倍
  • 直流で試験したら残留電荷を放電する

理解度チェック

Q.

公称電圧6 600 Vの回路の交流試験電圧はいくらか。

最大使用電圧6 900 Vの1.5倍で10 350 Vです。これを連続して10分間加えます。

Q.

ケーブルの試験で直流がよく使われるのはなぜか。

ケーブルは静電容量が大きく、交流だと充電電流のために大きな試験装置が必要になるからです。直流なら装置が小さくて済みます。

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参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定(前期)問題」「同 正答肢」
  • 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」
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