令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.46は、停電作業を行う場合の措置に関する記述として、労働安全衛生法上 誤っているものを選ぶ問題です。
この問題は、省略してよいものと、してはいけないものを分けられるかを問うものです。引っかけの核心は、通電前の確認を省略している点にあります。
短絡接地器具を付けたまま通電すると短絡します。
正解:選択肢4
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 正しい | 施錠・表示・監視人はいずれか1つでよい(第339条第1項第1号) |
| 2 | 正しい | 停電を確認して短絡接地する(同項第3号) |
| 3 | 正しい | 残留電荷を確実に放電させる(同項第2号) |
| 4 | 誤り | 取りはずしたことを確認した後でなければ通電できない(同条第2項) |
誤っているのは選択肢4です。
労働安全衛生規則第339条第2項は、通電するときの条件を2つ並べています。
労働安全衛生規則 第339条第2項
事業者は、…開路した電路に通電しようとするときは、あらかじめ、当該作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのないこと及び短絡接地器具を取りはずしたことを確認した後でなければ、行なつてはならない。
2つは「及び」でつながれています。どちらか一方ではなく、両方を確認します。
選択肢4は、感電のおそれがないことを確認したので取外しの確認を省略したという形です。条文が求める2つ目を飛ばしています。
短絡接地器具を付けたまま通電すると、何が起きるかは明らかです。
取り外し忘れたまま通電すると
三相が短絡された状態で電圧がかかる
↓
大きな短絡電流が流れてアークが飛ぶ
↓
機器の焼損、作業者の負傷
一方、選択肢1は省略してよい形です。第1項第1号を読むと理由が分かります。
労働安全衛生規則 第339条第1項第1号
開路に用いた開閉器に、作業中、施錠し、若しくは通電禁止に関する所要事項を表示し、又は監視人を置くこと。
「若しくは」「又は」でつながれているので、3つのうちどれか1つを行えばよいという意味です。施錠と表示をしたなら監視人は要りません。
条文の接続詞で、要件の形が変わります。
| 接続詞 | 意味 | この条文での例 |
|---|---|---|
| 又は・若しくは | どれか1つ | 施錠/表示/監視人 |
| 及び | 両方とも | 感電のおそれがないこと/取外しの確認 |
停電作業の流れを通しで見ると、順番が固まります。
停電作業の手順
① 開閉器を開路し、施錠か表示か監視人
② 残留電荷を放電
③ 検電器具で停電を確認
④ 短絡接地器具で短絡接地
─── 作業 ───
⑤ 短絡接地器具を取り外す
⑥ 感電のおそれがないことと取外しの両方を確認
⑦ 通電
通電しようとするとき、あらかじめ確認するのは何か。
作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのないことと、短絡接地器具を取りはずしたことの両方です。
開閉器の措置として監視人を省略できるのはなぜか。
条文が「施錠し、若しくは表示し、又は監視人を置くこと」となっていて、3つのうちどれか1つを行えばよいからです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月