令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.9は、電力系統における変電所の役割に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、変電所と発電所の受け持ちを分けられるかを問うものです。引っかけの核心は、周波数の調整が発電機の回転を変えることでしか行えない点にあります。
変電所には回転するものがありません。
正解:選択肢4
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| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | 変圧器で電圧を昇圧・降圧する。変電所の中心の仕事 |
| 2 | 適当 | 遮断器や調相設備で電力の流れを調整する |
| 3 | 適当 | 保護継電器で事故点を検出し、遮断器で切り離す |
| 4 | 不適当 | 周波数を保つための出力調整は発電所の役割 |
最も不適当なのは選択肢4です。
交流の周波数は、発電機が1秒間に何回転するかで決まります。50 Hzなら発電機はそれに見合った速度で回っています。
需要が増えると発電機に負担がかかり、回転が落ちて周波数が下がります。それを戻すには、発電機に入れる蒸気や水の量を増やすしかありません。
周波数が変わるしくみ
需要が増える → 発電機の回転が落ちる → 周波数が下がる
需要が減る → 発電機の回転が上がる → 周波数が上がる
変電所には変圧器・遮断器・断路器といった機器はありますが、電気をつくる設備はありません。だから出力調整はできません。
3つの施設の受け持ちを分けると、次のようになります。
| 施設 | 主な役割 |
|---|---|
| 発電所 | 電気をつくる。周波数の調整、発電機の端子電圧の調整 |
| 変電所 | 電圧の昇圧・降圧、電力の流れの調整、事故の切り離し、無効電力の調整 |
| 配電所 | 需要家へ電気を配る |
変電所も電圧の調整はします。負荷時タップ切換変圧器や調相設備(電力用コンデンサ・分路リアクトル)を使います。
ここで混ざりやすいのが「電圧」と「周波数」の区別です。変電所ができるのは電圧の側だけです。
変電所で調整できるもの・できないもの
できる → 電圧(変圧器のタップ、調相設備)
できない → 周波数(発電機の回転を変えるしかない)
選択肢2の「電力の流れを調整する」は、変電所でも行えます。遮断器の入切で送電のルートを変えることができるからです。
変電所が周波数を調整できないのはなぜか。
周波数は発電機の回転数で決まるからです。変電所には電気をつくる設備がないので、出力を増減させることができません。
変電所で電圧を調整するには何を使うか。
負荷時タップ切換変圧器や、電力用コンデンサ・分路リアクトルなどの調相設備です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月