令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.10は、配電系統の需要諸係数に関する用語として、「各需要家の最大需要電力の総和 ÷ その系統の合成最大需要電力」で求められるものを選ぶ問題です。
この問題は、4つの需要諸係数の式を区別できるかを問うものです。この式だけが1以上になります。
需要家ごとにピークの時刻がずれるからです。
正解:選択肢2(不等率)
| 選択肢 | 用語 | 式 |
|---|---|---|
| 1 | 需要率 | 最大需要電力 ÷ 設備容量 |
| 2 | 不等率 | 各需要家の最大需要電力の総和 ÷ 合成最大需要電力 |
| 3 | 負荷率 | 平均需要電力 ÷ 最大需要電力 |
| 4 | 利用率 | 最大需要電力 ÷ 変圧器などの設備容量 |
この式で求められるのは選択肢2です。
不等率は、需要家ごとにピークの出る時刻がずれている度合いを表します。
不等率 = 各需要家の最大需要電力の総和 ÷ 合成最大需要電力
分子と分母の違いをつかむのが要点です。
| 位置 | 何を足すか | 意味 |
|---|---|---|
| 分子 | 各需要家のピークを単純に合計 | 時刻を無視して足した値 |
| 分母 | 系統全体で実際に出たピーク | 同じ時刻で足した値 |
ピークの時刻がずれていれば、全体のピークは各ピークの合計より小さくなります。だから不等率は必ず1以上です。
数字で見ます。需要家Aのピークが昼、需要家Bのピークが夜に出る場合です。
需要家Aの最大需要電力 = 100 kW(12時)
需要家Bの最大需要電力 = 80 kW(20時)
分子 = 100 + 80 = 180 kW
系統全体で実際に出たピーク = 150 kW(12時)
不等率 = 180 ÷ 150 = 1.2
この1.2は、変圧器を180 kW分ではなく150 kW分で足りるという意味です。設備を小さくできます。
不等率が大きいほど、設備を効率よく使えていることになります。ピークが重ならない需要家を組み合わせるほど大きくなります。
ほかの3つと見分けるコツは、1を超えるかどうかです。
| 用語 | 値の範囲 | 大きいと何が言えるか |
|---|---|---|
| 需要率 | 1以下 | 設備の多くを同時に使っている |
| 不等率 | 1以上 | ピークがよく分散している |
| 負荷率 | 1以下 | 一日を通して使い方が平らである |
負荷率だけは平均需要電力が出てきます。ここが他の式との違いです。
不等率が1以上になるのはなぜか。
需要家ごとにピークの時刻がずれるからです。系統全体のピークは、各需要家のピークを単純に足した値より小さくなります。
不等率が大きいと、設備にとって何が良いか。
変圧器などの容量を小さくできます。ピークが重ならないので、各需要家の最大値の合計まで用意する必要がありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月