令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.7は、直列リアクトルと組み合わせて用いる三相高圧進相コンデンサの定格電圧を選ぶ問題です。回路電圧は6 600 V、直列リアクトルの容量はコンデンサ容量の6 %とされています。
この問題は、直列リアクトルを入れるとコンデンサの端子電圧が上がることを知っているかを問うものです。6%ぶん引いた0.94で割り戻します。
6 600 Vのままではありません。
正解:選択肢2(7 020 V)
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| 選択肢 | 定格電圧 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 6 600 V | 回路電圧そのまま。リアクトルによる上昇を見ていない |
| 2 | 7 020 V | 6 600 ÷ 0.94 = 約7 021。リアクトル6%のときの値 |
| 3 | 7 200 V | 6 600 × 1.09 くらいの値で、6%には対応しない |
| 4 | 7 590 V | 6 600 × 1.15。リアクトル13%に対応する値 |
定められているのは選択肢2です。
直列リアクトルは、進相コンデンサと直列に入ります。両方に同じ電流が流れます。
コンデンサと直列リアクトルでは、電圧の向きが互いに逆です。コンデンサの電圧は電流より90°遅れ、リアクトルの電圧は90°進みます。
回路電圧 = コンデンサの電圧 − リアクトルの電圧
リアクトルがコンデンサ容量の6%なら
6 600 = VC × (1 − 0.06) = VC × 0.94
引き算になるので、コンデンサには回路電圧より高い電圧がかかります。だから定格電圧も高いものを選びます。
VC = 6 600 ÷ 0.94 = 約 7 021 V → 7 020 V
リアクトルの割合ごとに、定格電圧の値が決まっています。
| 直列リアクトルの容量 | 計算 | 定格電圧 |
|---|---|---|
| 6 % | 6 600 ÷ 0.94 | 7 020 V |
| 13 % | 6 600 ÷ 0.87 | 7 590 V |
選択肢4の7 590 Vは13%のリアクトルを使う場合の値です。数字の作り方が同じなので、割合を読み違えるとこちらを選んでしまいます。
直列リアクトルを入れる目的は2つあります。
直列リアクトルの役割
① コンデンサ投入時の突入電流を抑える
② 系統の高調波がコンデンサに流れ込むのを抑える
6%を選ぶのは第5調波に対して回路を誘導性に保つためです。誘導性なら、コンデンサ側へ高調波が吸い込まれません。
高調波が多い系統では13%を使います。第3調波まで対策する必要がある場合です。
直列リアクトルを入れると、なぜコンデンサの端子電圧が上がるのか。
コンデンサとリアクトルの電圧は向きが逆で打ち消し合うからです。回路電圧=コンデンサの電圧−リアクトルの電圧となるので、コンデンサ側は回路電圧より高くなります。
直列リアクトルの容量を6%にする理由は何か。
第5調波に対して回路を誘導性に保つためです。誘導性であれば高調波電流がコンデンサ側へ流れ込みません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月