令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.29は、「幹線から信号を分けるとともに、入出力間通過損失を小さく保つ機器」に該当するテレビ共同受信設備の機器を選ぶ問題です。
この問題は、幹線を生かしたまま少しだけ取り出すという働きを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、信号を分ける機器を2つ並べ、幹線が残るかどうかで選ばせる点にあります。
幹線を先へ送りながら分けるのが分岐器です。
正解:選択肢3
> この論点をやさしく解説:テレビ共同受信設備とは?分配器・分岐器・分波器・混合器の役割の違い
> この論点をやさしく解説:分岐器の入力から分岐までは挿入損失か結合損失か?条件欄の数値が答えを決める
| 選択肢 | 機器 | 正誤 | 働き |
|---|---|---|---|
| 1 | 分配器 | 不適当 | 信号を等分する。幹線は残らない |
| 2 | 混合器 | 不適当 | 別々のアンテナの信号を1本にまとめる |
| 3 | 分岐器 | 適当 | 幹線から一部だけ取り出す。幹線は先へ続く |
| 4 | 分波器 | 不適当 | まとまった信号を周波数で分ける |
該当するのは選択肢3です。
問題文の「入出力間通過損失を小さく保つ」が決め手です。入力から出力へ通り抜ける信号が減らないということは、幹線がその先も続くという意味になります。
分岐器のつくり
入力 → 出力(幹線の続き)… ここはほとんど減らさない
│
└→ 分岐(1つの部屋へ)… ここで一部を取り出す
↓
だから何段つないでも、先の部屋まで信号が届く
分配器はこれと違い、入ってきた信号をそこで等分に割り切ります。
分配器のつくり
入力 →┬→ 出力1(同じ大きさ)
└→ 出力2(同じ大きさ)
↓
2分配なら、それぞれ元の半分より小さくなる
↓
「幹線の続き」という出口は無い
| 機器 | 何を基準に分ける | 使う場所 |
|---|---|---|
| 分岐器 | 量(一部だけ) | 集合住宅の幹線から各階へ |
| 分配器 | 量(等分) | 1住戸の中で複数の部屋へ |
| 分波器 | 周波数 | 地上波と衛星波を受口で分ける |
| 混合器 | (分けない) | アンテナの直後で1本にまとめる |
分波器と分配器は名前が似ていますが働きが違います。分波器は周波数で仕分けるので、地上波は地上波、衛星波は衛星波として取り出せます。
混合器と分波器は対になっています。
混合器と分波器の関係
アンテナが2本(地上波・衛星波)
↓
混合器で1本のケーブルにまとめる
↓
建物の中を1本で配る(工事が楽になる)
↓
受口の手前で分波器が周波数ごとに分けて戻す
分岐器と分配器の違いは何か。
分岐器は幹線から一部だけを取り出し、残りをそのまま先へ送ります。分配器は入ってきた信号をそこで等分に割るので、幹線の続きという出口はありません。
混合器と分波器はどう使い分けるか。
混合器はアンテナの直後で複数の信号を1本にまとめ、分波器は受口の手前で周波数ごとに分けて戻します。対になった働きです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月