令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.15は、電力系統における保護継電システムの構成に必要な機器として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、保護継電システムが「検出・判断・遮断」の3つでできていることを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、同じ変電所に並んでいる機器を並べ、その中に電流を切れないものを1つ混ぜている点にあります。
断路器は電流が流れている状態では開閉できません。事故電流を切る役目は担えません。
正解:選択肢1
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| 選択肢 | 機器 | 正誤 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 1 | 断路器 | 不適当 | 停電後に回路を切り離すだけ。電流は切れない |
| 2 | 計器用変成器 | 適当 | 検出。高い電圧・大きい電流を扱える大きさに変える |
| 3 | 保護継電器 | 適当 | 判断。事故かどうかを見分けて指令を出す |
| 4 | 遮断器 | 適当 | 遮断。指令を受けて事故電流を切る |
最も不適当なのは選択肢1です。
保護継電システムは、事故が起きてから切るまでを3つの機器がリレーのように受け渡しています。
事故が切られるまでの流れ
系統で事故が起こる
↓
計器用変成器が電流・電圧を小さくして取り出す(検出)
↓
保護継電器が値を見て「事故だ」と判断し、指令を出す(判断)
↓
遮断器が開いて事故電流を切る(遮断)
断路器はこの流れのどこにも入りません。電流が流れている状態では開閉できないからです。無理に開くとアークが出て切れません。
| 項目 | 断路器 | 遮断器 |
|---|---|---|
| 電流を切れるか | 切れない | 事故電流も切れる |
| 消弧の仕組み | 無い | 有る(真空・ガスなど) |
| 操作する場面 | 無電流にしてから | 事故時・通常の入切 |
| 主な目的 | 点検時に回路を切り離す | 事故区間を系統から外す |
断路器を使う順番は決まっています。遮断器を開いて電流を止めてから、断路器を開く。閉じるときはその逆です。
計器用変成器は、変流器(CT)と計器用変圧器(VT)をまとめた呼び方です。
計器用変成器が要る理由
系統の電圧は数千〜数十万V、電流は数百〜数千A
↓
継電器にそのまま入れたら壊れる
↓
電流は5A、電圧は110Vあたりに落として渡す
↓
継電器と計器を小さく作れ、扱う人も安全になる
保護継電システムを構成する3つの役割を挙げよ。
計器用変成器による検出、保護継電器による判断、遮断器による遮断です。
断路器が事故電流を切れないのはなぜか。
アークを消す仕組みを持たないためです。電流が流れたまま開くとアークが続いて切れず、無電流にしてから操作する必要があります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月