令和4年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.55は、電気工作物について、電気事業法上 誤っているものを選ぶ問題です。
この問題は、一般用電気工作物になるのが低圧受電に限られることを分かっているかを問うものです。高圧で受電した時点で一般用ではなくなります。
選択肢3と4は、どちらも電気工作物の定義に名指しで出てくるものです。
正解:選択肢2
> この論点をやさしく解説:事業用電気工作物と自家用電気工作物は何が違うのか?電気事業法の区分を条文で整理
> この論点をやさしく解説:小出力発電設備とは?種類ごとの出力の上限を整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 正しい | 一般用電気工作物と事業用電気工作物に分かれる |
| 2 | 誤り | 高圧受電の需要設備は事業用(自家用)電気工作物 |
| 3 | 正しい | 蒸気タービンは「機械、器具」に当たる |
| 4 | 正しい | ダムは定義に名指しで書かれている |
誤っているのは選択肢2です。
一般用電気工作物の定義は電気事業法第38条第1項にあります。第1号がこうなっています。
電気事業法 第38条第1項第1号
電気を使用するための電気工作物であつて、低圧受電電線路(当該電気工作物を設置する場所と同一の構内において低圧の電気を他の者から受電し、又は他の者に受電させるための電線路をいう。)以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
言い回しが入り組んでいますが、受電が低圧であることが条件だと読めます。高圧で受電する需要設備はこの条件から外れるので、一般用電気工作物ではありません。
第38条第2項は「事業用電気工作物とは、一般用電気工作物以外の電気工作物をいう」と定めています。一般用でないものはすべて事業用です。ビルや工場の高圧受電設備(キュービクル)は、そのうち自家用電気工作物になります。
この区分は、実務では電気主任技術者を選任するかどうかに直結します。自家用電気工作物には保安規程の届出と主任技術者の選任が要ります。低圧受電の一般住宅には要りません。
ほかの3つを見ておきます。
選択肢1は分け方そのものです。第38条第2項のとおり、電気工作物は一般用と事業用の2つに分かれます。
選択肢3と4は、電気工作物の定義に当たるかどうかの話です。
電気事業法 第2条第1項第18号
電気工作物 発電、蓄電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物(船舶、車両又は航空機に設置されるものその他の政令で定めるものを除く。)をいう。
ダムは条文に名指しで書かれています。水路・貯水池も同じです。電気を起こすために設置したものであれば、コンクリートの構造物でも電気工作物です。
蒸気タービンは「機械、器具」に当たります。火力発電のために設置するものなので、目的の面でも条文に合います。
高圧で受電する需要設備は、どちらの電気工作物か。
事業用電気工作物です。一般用電気工作物になるのは低圧受電のものに限られます。ビルや工場の高圧受電設備は、事業用のうち自家用電気工作物になります。
水力発電のダムは電気工作物か。
電気工作物です。電気事業法第2条第1項第18号の定義に、ダム・水路・貯水池が名指しで書かれています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月