令和4年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.51は、電気鉄道におけるパンタグラフの離線防止対策として不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、トロリ線の張力を上げると離線しにくくなることを分かっているかを問うものです。問題文は向きを逆にして「下げる」としています。
ほかの3つは、どれも「少なくする」「軽くする」という向きで書かれています。
正解:選択肢1
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| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 不適当 | 張力は下げるのでなく上げる |
| 2 | 適当 | 硬点を少なくする |
| 3 | 適当 | 勾配変化を少なくする |
| 4 | 適当 | 架線金具を軽くする |
不適当なのは選択肢1です。
離線は、走っているパンタグラフがトロリ線から一瞬離れてしまう現象です。離れた瞬間にアークが飛び、トロリ線とすり板が焼けて減ります。
張力を上げると離線しにくくなります。理由は波の伝わる速さが上がるからです。パンタグラフが押し上げた形の変化は、波としてトロリ線を伝わっていきます。張力が高いほどこの波が速く伝わり、列車の速度に対して余裕ができます。
逆に張力を下げると波の伝わりが遅くなり、列車の速度が波の速度に近づきます。トロリ線がパンタグラフの動きについてこられず、離れやすくなります。問題文はこの向きを逆にしています。
ほかの3つを見ておきます。
選択肢2の硬点は、トロリ線の中で硬くて持ち上がりにくい点のことです。ハンガの取付け部、接続金具、支持点などが硬点になります。ここでパンタグラフが跳ね返され、その先で離線します。少ないほうがよいというのは正しい向きです。
選択肢3の勾配変化は、トロリ線の高さが変わる場所です。跨線橋やトンネルの前後で高さを変えますが、変化が急だとパンタグラフが追従できません。緩やかにするほど離線しにくくなります。
選択肢4の架線金具を軽くするのも正しい向きです。金具が重いとその場所だけ質量が大きくなり、持ち上がりにくい点になります。軽くすれば局所的な重さの差が小さくなります。
2・3・4はトロリ線を素直に持ち上がるようにするという同じ考え方でつながっています。1だけがその流れから外れています。
トロリ線の張力を上げると、なぜ離線しにくくなるのか。
張力が高いほどトロリ線を伝わる波の速さが上がり、列車の速度に対して余裕ができるからです。トロリ線がパンタグラフの動きに追従しやすくなります。
硬点とは何か。
トロリ線の中で硬くて持ち上がりにくい点です。ハンガの取付け部、接続金具、支持点などが当たります。ここでパンタグラフが跳ね返され、離線の原因になります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月