令和4年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.7は、進相コンデンサと接続して使用する直列リアクトルに関する記述として、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、コンデンサに付ける部品が2種類あることを分かっているかを問うものです。直列リアクトルと放電コイルで、仕事が違います。
残留電荷を抜くのは放電コイルのほうです。
正解:選択肢2(残留電荷を放電するとした記述)
> この論点をやさしく解説:直列リアクトルは何のために入れるのか?進相コンデンサと放電コイルの役割の違い
> この論点をやさしく解説:高調波とは?発生源・影響と直列リアクトルによる対策を整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 高調波電流による障害を防止する | 適当 |
| 2 | 開放時の残留電荷を放電する | 不適当。放電コイルの役目 |
| 3 | 電圧波形のひずみを軽減する | 適当 |
| 4 | 投入時の突入電流を抑制する | 適当 |
不適当なのは選択肢2です。
引っかけの核心は、放電コイルも進相コンデンサに付ける部品で、同じ設備の中にいるところです。コンデンサ回りの話としては正しいので、リアクトルの話だと気づきにくくなります。
| 部品 | つなぎ方 | 仕事 |
|---|---|---|
| 直列リアクトル | 直列 | 高調波の抑制、突入電流の抑制、波形のひずみ軽減 |
| 放電コイル | 並列 | 開放後の残留電荷を放電する |
つなぎ方も違います。直列リアクトルはコンデンサと直列、放電コイルは並列です。電流の通り道に入るか、電荷の逃げ道になるかの違いです。
コンデンサを切り離しても、中には電荷が残ったままです。触れば感電しますし、残った電圧のまま再投入すると大きな電流が流れます。それを防ぐために放電コイルで抜きます。
直列リアクトルの3つの仕事は、根はひとつです。コンデンサだけだと高い周波数ほど電流を通しやすいという性質があります。リアクトルは逆に高い周波数ほど通しにくいので、直列に入れると打ち消し合います。
これで第5調波などの高調波が流れ込むのを抑え(選択肢1)、その結果として電圧波形のひずみも減り(選択肢3)、投入した瞬間の急な電流も抑えられます(選択肢4)。
リアクトルの容量は、コンデンサ容量の6%を標準とします。高調波がひどい系統では13%のものを使います。
進相コンデンサの残留電荷を放電するのは何か。
放電コイル(放電抵抗)です。コンデンサと並列に接続します。直列リアクトルの役目ではありません。
直列リアクトルは何のために入れるか。
高調波電流の抑制、電圧波形のひずみの軽減、投入時の突入電流の抑制です。容量はコンデンサの6%が標準です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月