令和8年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.59は、受変電設備における工場立会検査に関する問題です。この問題は施工管理法の応用能力問題で、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
この問題は、工場立会検査を何のために、どう進めるかを問うものです。検査の目的、事前の取り決め、試験を行う時期、測定機器の管理、指摘事項の扱いの5つが並びます。
引っかけの核心は1点、出荷前に確かめるはずの試験を後回しにしてよいかです。選択肢1が検査の目的を述べているので、それと突き合わせれば答えが決まります。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 据付後に異常が出ると工期に響くので、出荷前の工場で各種の検査を行う。これが目的 |
| 2 | ○(正しい) | 検査項目・検査方法・判定基準は、実施前に関係者と協議して決めておく |
| 3 | ×(誤り) | 分割搬入を理由に工場での絶縁耐力試験を省略すると、出荷前に確かめる意味が消える |
| 4 | ○(正しい) | 測定機器は校正成績書などでトレーサビリティがとれたものを使う |
| 5 | ○(正しい) | 検査で出た指摘事項は、現場に搬入する際に改善されていることを確認する |
選択肢3だけが、選択肢1の挙げた目的と食い違っています。
絶縁耐力試験は、受変電設備が規定の電圧に耐えるかを確かめる基本の試験です。ここで不合格になれば作り直しになるので、現場へ運ぶ前に工場で確かめておく意味が大きい試験にあたります。
選択肢1が言うとおり、工場立会検査は据付後の異常で工期が崩れるのを避けるために行います。その工場立会検査から絶縁耐力試験を外してしまうと、耐えるかどうかが分かるのは現場に据え付けた後になり、検査の目的そのものが失われます。
分割して運ぶ機器であっても、工場では分割された単位で試験できます。なお現場側の試験は別に決まっていて、公共建築工事標準仕様書は配線完了後に絶縁抵抗試験及び絶縁耐力試験を行うとしています。現場でも行うことと、工場で省いてよいことは別の話です。
分割搬入する受変電設備でも、工場立会検査で絶縁耐力試験を行うか。
行います。分割された単位で試験できますし、出荷前に確かめておかないと据付後に手戻りが出ます。現場での試験は、それとは別に配線完了後に行います。
工場立会検査に使う測定機器に求められることは何か。
校正成績書などによってトレーサビリティがとれていることです。測った値の根拠をたどれない機器では、判定そのものが信用できません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月