令和7年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.51は、鉄筋コンクリート構造の建築物における梁貫通の図を4つ見比べて、最も不適当なものを選ぶ問題です。孔の径・位置・間隔がそれぞれ書き込まれています。
この問題は、梁貫通に2つの数値の決まりがあることを知っていれば絞れます。孔の大きさと、孔どうしの間隔です。
核心は、中心間隔のほうは4つとも決まりを満たしていることです。そこで差が付かないので、残る孔径で見ることになります。
※ 問題文と図は、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当なもの)
| 選択肢 | 最大の孔径 | 中心間隔の検算(必要値=孔径平均値の3倍) |
|---|---|---|
| 1 | 250φ | 250-100が700(必要525)/100-100が300(必要300) どちらも満たす |
| 2 | 250φ | 300(必要300)/500(必要375)/750(必要600)/550(必要525) すべて満たす |
| 3 | 350φ | 600(必要600)/750(必要750) 満たす。孔径だけが突出 |
| 4 | 300φ | 900(必要900) 満たす |
最も不適当なのは選択肢3です。
梁貫通の決まりは、令和3年度の出題にまとめて並んでいます。
令和3年度 1級 第一次検定 No.55 選択肢1・2・4(いずれも正しい肢/正答は選択肢3)
貫通孔の径は、梁せいの3分の1以下とした。
貫通孔が並列する場合の中心間隔は、孔径平均値の3倍以上とする。
貫通孔の上下方向の位置は、梁せいの中心付近が望ましい。
この年の正答は選択肢3の「貫通孔の横方向の位置は、柱の付近が望ましい」で、そこだけが誤りでした。したがって上の3つは正しい決まりとして確定しています。
令和7年度の図に当てはめると、中心間隔のほうは4つとも必要値ちょうど以上です。上の表のとおり、選択肢2や4はぎりぎり必要値と同じ値になっており、わざと「間隔では差が付かない」ように作られています。
残るのが孔径です。選択肢3だけが350φで、ほかの3つは250φ・250φ・300φに収まっています。梁の断面寸法はどの図も同じなので、いちばん大きい孔をあけている選択肢3が、径の制限に最初に触れることになります。
孔径に上限がある理由は、梁のせん断耐力です。孔をあけると、そこでコンクリートの断面が欠け、せん断力を伝える斜めの経路が切られます。孔が大きいほど欠ける量が増え、補強筋を入れても元の耐力に戻しにくくなります。
貫通孔が並列する場合、中心間隔はいくら以上にするか。
孔径平均値の3倍以上です。たとえば100φと150φが並ぶなら、平均125の3倍で375mm以上になります。
貫通孔の横方向の位置は、どこを避けるか。
柱の付近です。梁の端部はせん断力が大きいため、そこに孔をあけると耐力への影響が大きくなります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月