令和8年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.52は、建築物の鉄骨鉄筋コンクリート構造に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
この問題は、鉄骨鉄筋コンクリート構造の長所と、施工でつまずきやすい点を問うものです。耐火性、柱・梁の接合部でのコンクリートの回り、鉄骨と鉄筋の継手位置、梁貫通部の鋼管スリーブの4つが並び、1と4は長所や標準的な納まり、2と3は施工上の難点にあたります。
引っかけの核心は1点、継手を1か所に集めてよいかです。継手は部材の弱点なので、集めれば弱点も1か所に重なります。「安全性を高める」という結びが逆を向いています。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 鉄骨をコンクリートが包むので、別途の耐火被覆が要らない |
| 2 | ○(正しい) | 柱と梁の鉄骨・鉄筋が集まる仕口はコンクリートが回りにくい |
| 3 | ×(誤り) | 継手は位置をずらす。集中させると弱点が1か所に重なる |
| 4 | ○(正しい) | 設備配管を通すため、梁ウェブにあらかじめ鋼管スリーブを付ける |
選択肢3はやることと目的が食い違っている記述です。
継手は、部材と部材をつなぎ直した場所です。母材が連続している部分より応力の流れが乱れるので、断面の中で弱点になります。
鉄骨の継手と鉄筋の継手を同じ高さに揃えると、その断面に弱点が重なります。しかも鉄骨の添え板や鉄筋の重ね継手が同じ場所に集まるため、コンクリートが回りにくくなり、施工の面でも不利です。
そのため実際は、鉄骨の継手位置と鉄筋の継手位置を互いにずらして配置します。弱点を分散させて、どの断面でも所定の耐力が確保できるようにするためです。
選択肢3は「同一箇所に集中させ、安全性を高める」としていますが、集中させれば安全性は下がります。ここが誤りです。
鉄骨の継手と鉄筋の継手の位置を、同じ箇所に揃えてよいか。
揃えてはいけません。継手は部材の弱点なので、同じ断面に重ねると耐力が落ちます。コンクリートも回りにくくなるため、互いにずらして配置します。
鉄骨鉄筋コンクリート構造で、鉄骨に耐火被覆を別途施さなくてよいのはなぜか。
鉄骨のまわりを鉄筋コンクリートが包んでいて、コンクリートそのものが耐火被覆の役目を果たすためです。鉄骨造では吹付けロックウールなどの被覆が別に要ります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月