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令和6年度 1級電気工事施工管理技士 No.80を解説、他者の電気を集めるのが仕事

令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.80は、「特定卸供給事業」に関する記述として、「電気事業法」上、誤っているものを選ぶ問題です。

この問題のポイント

この問題は、この事業が何をするものかを分かっているかを問うものです。他者が持つ小さな電源を集めて、まとまった量として供給する事業です

自分で発電設備を維持・運用している者に限りません。

正解:選択肢4(自らが維持・運用している者だけが行える)

各選択肢の正誤

選択肢 内容 解説
1 供給能力を有する者から集約した電気を供給 定義のとおり。正しい
2 営もうとする者は経済産業大臣へ届出 届出制。正しい
3 供給能力が省令の要件に該当するもの 規模の要件。正しい
4 自ら維持・運用している者だけが行える 他者の電源を集約する事業。誤り

誤っているのは選択肢4です。

選択肢4のポイント(ここが答え)

引っかけの核心は、電気を供給する事業なのだから、自分の発電設備を持っているはずだと考えてしまうところです。この事業の役目は自分で発電することではなく、他者の電気をまとめることです。

太陽光発電や蓄電池は、1件ずつでは容量が小さすぎて電力市場では扱えません。これを何百件、何千件と束ねると、まとまった供給力になります。この束ねる役目をする事業者をアグリゲーターと呼びます。

選択肢1に書かれているとおり、特定卸供給は供給能力を有する者から集約した電気を供給することです。集約するのですから、電気の出どころは他者です。自ら維持・運用している者に限るという条件は付きません。

事業 手続き 何をするか
特定卸供給事業 届出 他者の電源を集約し、小売電気事業者などへ供給する
発電事業 届出 自ら維持・運用する発電設備で発電する
小売電気事業 登録 一般の需要家へ電気を売る
配電事業 許可 特定の区域で配電網を維持・運用する

自ら維持・運用する発電設備で発電するのは発電事業のほうです。この2つは別の類型として電気事業法に置かれています。

選択肢2の届出は、この事業の手続きです。許可でも登録でもなく届出なので、要件を満たして届け出れば営めます。小売電気事業の登録や配電事業の許可より軽い手続きです。

選択肢3は規模の要件です。どんなに小さくても事業として扱うわけではなく、省令で定める規模に達したものが特定卸供給事業になります

この事業類型は、再生可能エネルギーや蓄電池が増えたことに合わせて設けられました。小さな電源を束ねて系統の調整力として使うことが、これから大きくなる分野です。

覚え方

  • 特定卸供給は他者の電源を集約する事業。自ら発電するのは発電事業
  • 手続きは届出。小売は登録、配電は許可
  • 小さな電源を束ねてまとまった供給力にするのがアグリゲーター

理解度チェック

Q.

特定卸供給事業は自ら発電設備を持たなければ営めないか。

持つ必要はありません。他者が持つ電源を集約するのがこの事業の役目です。自ら維持・運用して発電するのは発電事業です。

Q.

特定卸供給事業を営むための手続きは何か。

経済産業大臣への届出です。小売電気事業は登録、配電事業は許可と、類型ごとに手続きが違います。

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参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和6年度 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定問題(午後の部)」「同 正答肢」
  • 電気事業法 第2条・第27条の30
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