令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.78は、建設工事の請負契約に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものを選ぶ問題です。
この問題は、現場代理人を置くときの手続きを分かっているかを問うものです。条文の見出しが「現場代理人の選任等に関する通知」です。
承諾を得るのではなく、通知します。
正解:選択肢3(現場代理人を置く場合、注文者の承諾を得なければならない)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 工程の細目等は下請負人の意見を聞く | 元請の義務。正しい |
| 2 | 地盤沈下のおそれは契約前に情報提供 | 注文者の義務。正しい |
| 3 | 現場代理人は注文者の承諾を得る | 書面で通知する。誤り |
| 4 | 不適当な下請負人の変更を請求できる | 注文者の権利。正しい |
誤っているのは選択肢3です。
引っかけの核心は、注文者に何か伝えるのだから、了解をもらうのだろうと読めてしまうところです。条文は通知と書いています。
建設業法 第19条の2(現場代理人の選任等に関する通知)第1項
請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合においては、当該現場代理人の権限に関する事項及び当該現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見の申出の方法(第三項において「現場代理人に関する事項」という。)を、書面により注文者に通知しなければならない。
現場代理人は、請負人の代わりに現場で契約を実行する人です。誰を置くかは請負人が決めます。注文者に伝えるのは、その人にどこまでの権限があるかと、その人の行為に注文者が意見を言う方法です。
承諾ではなく通知にしている理由は、誰を現場に置くかは請負人が自分で判断すべきことだからです。注文者に選ばせると、請負人の体制に口を出すことになります。
同じ条文の第2項では、注文者が監督員を置くときも同じく書面により請負人に通知すると定めています。立場が入れ替わっても同じ扱いです。
選択肢1は元請負人の義務です。工程の細目や作業方法を決めるとき、実際に作業をする下請負人の意見を聞かなければなりません。現場を知っている側の話を聞かずに決めると、無理な工程になります。
選択肢2は注文者の義務です。地盤の沈下のように、請負代金に影響する事情を注文者が知っているなら、契約を結ぶ前に伝えます。知らないまま契約すると、後から追加費用でもめることになります。
選択肢4は注文者の権利です。著しく不適当な下請負人がいれば変更を請求できます。ただし注文者自身が書面で承諾して選んだ下請負人などは除かれます。自分が認めた相手を後から変えろとは言えません。
現場代理人を置くとき、注文者に対して何をするか。
権限に関する事項と、意見の申出の方法を書面で通知します。承諾を得る必要はありません。
注文者が下請負人の変更を請求できない場合はどんなときか。
あらかじめ注文者自身が書面で承諾して選定した下請負人である場合などです。自ら認めた相手を後から変えろとは言えません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月