令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.62は、建設工事の工程管理に用いる工程表に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、タクト工程表の利点が何かを分かっているかを問うものです。同じ作業を同じ日数で繰り返すので、必要な人数が一定になります。
人数の把握が難しいという説明は逆です。
正解:選択肢4(タクト工程表は全体の稼働人数の把握が難しい)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ガントチャートは達成度が分かりやすい | 横軸が達成率。適当 |
| 2 | ガントチャートは全体工期への影響が分かりにくい | 日程を持たない。適当 |
| 3 | タクトは繰り返し作業に適する | 高層ビル向き。適当 |
| 4 | タクトは稼働人数の把握が難しい | 人数は一定になる。不適当 |
不適当なのは選択肢4です。
引っかけの核心は、選択肢3でタクトの利点を認めた直後に、選択肢4で欠点を並べているので、そういう弱点もあるのだろうと読めてしまうところです。タクト工程表の作り方を思い浮かべると、人数は把握しやすい側だと分かります。
タクト工程表は、高層ビルのように同じ間取りの階が積み重なる建物で使います。1つの階でやる作業を決まった日数で終わらせ、次の階へ順に移っていきます。作業班が階段を上がるように動く形です。
| 性質 | そこから出る利点 |
|---|---|
| 同じ作業を同じ日数で繰り返す | 各時点で必要な人数が一定になり、把握しやすい |
| 作業班が階を移っていく | 同じ班が繰り返すので習熟が進み、効率が上がる |
| 工程が階ごとに並ぶ | どの階のどの作業が遅れているかが一目で分かる |
人数が一定になるということは、作業員の手配も平らにできるということです。ある時期だけ大勢集める必要がなくなり、雇用も安定します。これがタクト工程表を使う大きな理由です。
ただし弱点もあります。1つの階の作業が遅れると後ろの階すべてがずれていきます。決まったリズムで進むことが前提なので、どこかで崩れると全体に響きます。
選択肢1と2はガントチャート工程表です。縦に作業名、横に達成率(0〜100%)をとった表で、各作業がどこまで進んだかを棒の長さで示します。
| 工程表 | 横軸 | 分かること/分からないこと |
|---|---|---|
| ガントチャート | 達成率 | 各作業の進み具合は分かるが、日程と作業の関係は分からない |
| バーチャート | 日程 | いつ何をするかは分かるが、作業どうしのつながりは表せない |
| ネットワーク | 日数 | 作業の順序と、全体工期に効く経路が分かる |
ガントチャートは横軸が達成率なので、その作業がいつ始まっていつ終わるかという日程の情報を持ちません。だから遅れが全体の工期にどう響くかも分かりません。それを見るにはネットワーク工程表を使います。
タクト工程表で稼働人数が把握しやすいのはなぜか。
同じ作業を同じ日数で繰り返すため、各時点で必要な人数が一定になるからです。手配も平準化できます。
ガントチャート工程表の横軸は何か。
各作業の達成率です。日程を持たないので、遅れが全体工期にどう響くかは分かりません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月