令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.61は、公共工事における施工計画等に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、実行予算書を誰に見せるものかを分かっているかを問うものです。実行予算書は自社の原価を管理するための書類です。
発注者に提出するものではありません。
正解:選択肢3(請負代金内訳書及び実行予算書を発注者に提出する)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 総合工程表に出来高の推定カーブを記入 | 全体の進み具合を見る。適当 |
| 2 | 施工計画には工期・使用機器・施工方法等 | 記載内容のとおり。適当 |
| 3 | 実行予算書を発注者に提出する | 社内の書類。不適当 |
| 4 | 品質が明示されていなければ中等の品質 | 約款のとおり。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、請負代金内訳書と実行予算書を並べて書いているので、どちらも同じ扱いに見えるところです。この2つは見せる相手が違います。
| 書類 | 出す相手 | 中身 |
|---|---|---|
| 請負代金内訳書 | 発注者 | 契約金額の内訳。約款で提出が定められている |
| 実行予算書 | 社内 | 実際にかかる原価の見込み。利益がどれだけ出るかが分かる |
実行予算書には、材料費や労務費をいくらで見込んでいるかが書かれています。請負代金との差が自社の利益なので、これを発注者に見せることはありません。工事の途中で原価が予算に収まっているかを確かめるための、内部の書類です。
請負代金内訳書のほうは、契約金額をどう積み上げたかを示すものです。公共工事標準請負契約約款で発注者への提出が定められています。出来高部分の支払いを請求するときの根拠にもなります。
選択肢1の総合工程表は、工事全体の日程を1枚にまとめたものです。ここに出来高の推定カーブ(予定進度曲線)を重ねると、日程と進み具合を同時に見られます。実績の曲線を書き足せば、遅れているかどうかがすぐ分かります。
選択肢2は施工計画の記載内容です。工期、使用機器、施工方法、品質計画、安全・環境対策、工程計画といった項目を書きます。どう作るかと、どう管理するかの両方が入ります。
選択肢4は工事材料の品質です。設計図書に品質が書かれていれば、そのとおりのものを使います。書かれていない場合に何を使うかが問題になりますが、約款では中等の品質を有するものとすることになっています。最低限のものでも最高級のものでもありません。
実行予算書を発注者に提出しないのはなぜか。
実際にかかる原価の見込みが書かれていて、請負代金との差である自社の利益が分かってしまうためです。社内で原価を管理するための書類です。
設計図書に材料の品質が書かれていないときは何を使うか。
中等の品質を有するものです。約款に定められています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月