令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.63は、建設工事における工程管理に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、施工速度を上げると直接工事費がどちらへ動くかを分かっているかを問うものです。急ぐには人や機械を増やし、残業も要るので高くなります。
選択肢1は安くなると書いています。
正解:選択肢1(直接工事費は施工速度を速くするほど安くなる)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 直接費は速くするほど安くなる | 逆。高くなる。不適当 |
| 2 | 間接費は遅くするほど高くなる | 期間に比例する。適当 |
| 3 | 変動原価は出来高に比例して大きくなる | 定義のとおり。適当 |
| 4 | 経済速度は工事費が最小になる施工速度 | 定義のとおり。適当 |
不適当なのは選択肢1です。
引っかけの核心は、早く終われば全体の費用が減るという感覚があるところです。減るのは間接工事費のほうで、直接工事費は逆に増えます。
2つの費用は、施工速度に対して反対の動きをします。
| 費用 | 中身 | 速くしたとき |
|---|---|---|
| 直接工事費 | 材料費、労務費、機械費 | 増員・残業・機械の増設で高くなる |
| 間接工事費 | 現場事務所、仮設、監督者の人件費 | 工期が短くなる分だけ安くなる |
間接工事費は、工事が続いている間ずっとかかる費用です。現場事務所の家賃も、監督者の給与も、日数に比例して積み上がります。だから工期が延びれば高くなり、縮まれば安くなります。
直接工事費は、実際に作る作業にかかる費用です。同じ量の工事を短い期間で終わらせるには、人を増やすか、残業して割増賃金を払うか、機械を余分に入れるかのいずれかが必要です。どれも費用が増える方向にはたらきます。
この2つを足したものが工事費の合計です。速くしすぎれば直接費が跳ね上がり、遅くしすぎれば間接費がかさみます。その合計が最も小さくなる施工速度が経済速度で、これが選択肢4の内容です。
工事費と施工速度の関係
工事費 = 直接工事費 + 間接工事費
速くする → 直接費↑、間接費↓
遅くする → 直接費↓、間接費↑
合計が最小になるところが経済速度(そのときの工期を最適工期という)
選択肢3の変動原価は、出来高に比例して増える費用です。材料費のように、作る量が2倍になれば2倍かかるものが該当します。これに対し、出来高にかかわらず一定なのが固定原価で、現場事務所の費用などが入ります。
施工速度を速くすると直接工事費はどうなるか。
高くなります。増員、残業の割増賃金、機械の増設などが必要になるためです。安くなるのは間接工事費です。
経済速度とは何か。
直接工事費と間接工事費を合わせた工事費が最小になるときの施工速度です。そのときの工期を最適工期といいます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月