令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.52は、鉄骨構造に関する用語と関連する語句の組合せとして、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、摩擦接合が何で力を伝えるかを分かっているかを問うものです。高力ボルトで強く締め付け、鋼板どうしの摩擦で力を伝えます。
溶接は溶かしてつなぐ別の方法です。
正解:選択肢4(摩擦接合 溶接)
| 選択肢 | 組合せ | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ウェブ ─ せん断力 | H形鋼の縦の板。適当 |
| 2 | フランジ ─ 曲げモーメント | 上下の板。適当 |
| 3 | 筋かい ─ ターンバックル | 張力を調整する金具。適当 |
| 4 | 摩擦接合 ─ 溶接 | 高力ボルト。不適当 |
不適当なのは選択肢4です。
引っかけの核心は、摩擦接合も溶接も鉄骨をつなぐ方法なので、関連はあるように見えるところです。この2つは力の伝え方が違う、別々の接合方法です。
| 接合方法 | 使うもの | 力の伝わり方 |
|---|---|---|
| 高力ボルト摩擦接合 | 高力ボルト | 強く締め付け、鋼板どうしの接触面の摩擦で伝える |
| 溶接接合 | 溶接棒・ワイヤ | 母材を溶かして一体にし、金属そのもので伝える |
高力ボルトは、ボルトの軸に大きな張力を与えて板を締め付けます。力を受け持つのはボルトの軸ではなく、締め付けられた板と板の間に生まれる摩擦です。だから接触面はさびを落とし、塗装もしません。
摩擦接合の利点は、現場で火を使わずに済むことです。溶接は資格を持つ人と天候の管理が要り、品質の確認にも手間がかかります。現場での接合は高力ボルト、工場での製作は溶接という使い分けが一般的です。
選択肢1と2は、H形鋼のどこがどの力を受け持つかです。
| 部位 | 位置 | 主に負担する力 |
|---|---|---|
| フランジ | 上下の水平な板 | 曲げモーメント |
| ウェブ | 中央の垂直な板 | せん断力 |
曲げに対しては、中心から遠いところにある材料ほどよく効きます。だから上下に離れたフランジが曲げを受け持ちます。ウェブは上下をつないでいる板で、ずれさせようとする力に抵抗します。
選択肢3の筋かいは、地震や風の水平力に抵抗する斜めの部材です。細い鋼棒を使う場合、たるんでいると力を伝えられません。ターンバックルは中央に付ける金具で、回すと両端のねじが同時に引き込まれて張力を調整できます。
高力ボルト摩擦接合では何が力を伝えているか。
締め付けられた鋼板と鋼板の接触面に生まれる摩擦です。ボルトの軸そのものではありません。
H形鋼で曲げモーメントを主に負担するのはどこか。
フランジです。中心から遠い上下の板ほど曲げに効きます。ウェブはせん断力を負担します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月